生活に無くてはならない水で、日本に住んでいると、水不足とは無縁です。
しかし、今年首都圏の水不足が心配されており、さらに現在、水不足は世界中で起きており、コロナより深刻な問題なのです。

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世界で約8.8億人が安全な水に恵まれず、手洗いが不可能な国だってあります。
さらに、先進国でも温暖化の影響から、乾燥地域が増えており、水不足はどんどん深刻になり、水道施設の老朽化も問題になっています。

2025年世界の水不足が起こる未来

中近東はもとより、アメリカ、中国、オーストラリア、ヨーロッパ等の広範な地域での水不足が予測されています。

コロナによる使用量の激激から、オイルの価格が大幅に下落。
水よりも安くなる事態が起こっています。

20世紀は「石油の時代」だったのですが、これからは「水の時代」と言われることでしょう。

山の氷が無くなる現実

例えば、ヒマラヤの雪が無くなるとどうなるでしょう??
ヒマラヤの雪解け水は、多くの川の水源となっています。

インダス川、長江、ガンジス川、ブラマプトラ川といった大河に注ぎ、世界で一番人口が密集する南アジア数十億人の生活を支えているのです。
この雪解け水が減少すると、たちまち水不足に陥ります。

そして、氷の融解が加速することに洪水が発生。
街のインフラを破壊していく危険性も増しており、すでに、インド、中国、ネパールでは被害も出始めています。

そして、水不足になると、コロナより悲惨な状況になる可能性だってあるのです。

人間の生活や経済活動にとって致命的となり、現在の石油をめぐる争い以上に、深刻な国家間の対立や紛争を発生させます。
過去そうであったように、水を起源にした紛争は世界で数多く勃発しているのです。

2025年水ビジネスはどうなる??

水の輸出地域が多いヨーロッパでは、フランスはのヴェオリア、スエズ、イギリスのテムズウォーターが3大水メジャーです。
3社の水事業の売り上げは4兆円を超え、圧倒的なシェアを誇っています。

今後、水ビジネスは2025年は、現在の約4倍の110兆円市場と言われており、さらに売上を伸ばす予想が立てられています。

3大メジャーの1つである、フランスのヴェオリア・ウォーターでは、すでに日本法人を設立し、日本企業に技術ライセンスを販売。
自治体や企業からのからの受注を受け、拡大を続けています。

さらに、各国では国の事業として水ビジネスを進めています。
・世界の「ウォーターハブ」となる国家目標に掲げるシンガポール
・国を挙げて水ビジネスに参戦する企業サムスン
・マニラの宅配水ビジネスに大きな需要

日本企業も動き出している水対策

将来の水不足は、飲料水の確保という側面だけではなく、製造コストの上昇、取水制限で操業に支障を及ぼす「水リスク」として認識されつつあり、日本企業も対策をスタートさせています。

富士フイルムでは、製品ライフサイクル全体の水消費量の算定に着手。
積水化学工業は国内外の事業所ごとに「事業機会の損失防止」を把握。
ソニーはも調達先に水使用量の把握と削減目標を設定。
旭化成や帝人なども水に係わる経営指標を導入しているのです。

水の管理は環境負荷低減だけでなく、事業の持続性においても重要な意味を持ってくるのです。

世界で勝負できる優秀な日本の水処理技術

技術国日本として、水を持って世界をリードする要素が多くあります。
水を磨く三次処理、漏水防止、下水道汚泥の資源化、海水淡水化技術などで、テクノロジー株が頭打ちの現在、水ビジネスで、世界で活躍する企業が増えてくると考えられるのです。

そこで、いま現在一歩リードしている企業をご紹介。

【積水化学工業】
シンガポールの連結子会社を軸に、水インフラの新設需要が取り込み、インドネシア、タイ、ベトナムなどのASEANを中心に展開。

水処理関連製品から施設の施工・管理・メンテナンスまで、一貫した総合サービスを提供するビジネスモデルを視野に入れ、ASEANにおいての水インフラ市場で、攻勢をかけています。

【三菱商事】
総合水事業会社として、世界の水問題解決に貢献。
営業力や海外での事業ノウハウがある三菱商事の3社が出資する「水ing 株式会社」という合弁会社が立ち上がって、インフラを丸ごと受注する動きが広がっています。

【伊藤忠商事】
海水淡水化装置大手とサウジアラビアでプラントの補修工事を受注。
海水淡水化装置大手のササクラとともに、サウジアラビアで同国海水淡水化公団から、海水淡水化プラントの補修工事も受注しました。

【丸紅】
新たな水ビジネス始動。ポルトガルの水道事業会社であるAGSを買収。
丸紅は、これまでにもチリ、中国など5ヶ国の上下水道や水処理などの水ビジネスに参入してきましたが、現在では、ヨーロッパへの参入を強めています。

【日立】
モルディブの水問題を一手に受けており、そこで特に力を入れているのが、インテリジェントウォーターシステムの構築。
水インフラを水と情報の流れと捉える日立独自のシステム提案である。
その手始めとして、モルディブの水の安定供給を向上させたのが「AQUAMAP」。

アジアではすでに水不足

昨年タイ、ラオス、カンボジアは観測史上最高の44.6度を記録しました。
シンガポールでも異常な暑さを観測。
マレーシアでは湖が干上がって野菜の生産が激減したのです。

カンボジアでは水不足が深刻化して、学校のトイレ用の水が確保できず、休校になる所も発生。欠席率が30~40%に達した学校もあるのです。

ベトナムでは、メコン川の水位が低下。
ベトナム政府の報告によると、1926年以来の低さになったのです。

水位の低下したため、南シナ海の海水が内陸部に浸食し、土壌が塩化して農作物に大きな被害が出ました。

世界最大級のコメの生産国であるタイも、熱波や例年の半分に満たなかった降雨量が原因で不作となったのです。
現時点ですでに水不足は起きているのでした。