飛行機に乗る時に心配なこととして安全性があり、座るシートの位置によって、生存率が変わってきます。
今、飛行機に乗ると…どこもスカスカで、快適な旅行チャンスという見方も出来ますよね。
星野リゾートが一泊5000円で泊まれたり、ソウルに3000円で行けたり、稼がなくてもいい人にとっては、これほど快適な期間はないとも言えます。
どんどんお金を消費、経済を回していきたいところですが…
気を付けたいのが、コロナへの感染。
世界的なコロナウイルスの流行を作った原因の一つである飛行機は、ウイルスにとってかなり快適な場所。
長時間密室な空間で乾燥しており、人が密集。
病院を除き、これ以上感染環境が整っている場所は他に見当たらないのではないでしょうか。
ウイルスを運ぶ飛行機

9・11でアメリカの上空が飛行禁止なった際、アメリカの空では、3日間飛行機が消えたことがありました。
たった3日間の移動を制限しただけにも関わらず、その年のアメリカでは、季節性インフルエンザのピークが例年より遅れるなど、感染症関連のパターンが変化したのです。
その年、飛行機でアメリカに持ち込まれるウイルスが持ち込まれなかったためと分析されました。
この結果、飛行機が飛ぶ限り、ウイルスの流行を防ぐことは不可能と言われており、今、新型コロナを防ぐため世界中で航空便の欠航、旅行の禁止が相次いでいます。
ナゾだらけの新型コロナへの対策は?

新型コロナを防ぐため、世界の主な空港では検疫体制を強化していますが、新型コロナが最も感染しやすい経路はまだ判明していません。
通常のウイルスと同様なのか、また違う経路なのか…
主なウイルスの感染経路として多いのが、飛沫感染、唾液や下痢への接触、ウイルスが付いたものを食べたり、エアロゾルによる感染などです。
分かっていない分、過去のウイルスを参考にするしかありません。
乗客が飛行機にのったらあとは、身をゆだねるだけ。
感染兵器になるのか、快適な空の旅になるのか、それはあなたが選ぶ座席によって決まる可能性があるのです。
感染リスクがあるのは感染者の1.8m以内

新型コロナの感染経路はまだ分かっていませんが、呼吸器ウイルスの広がりとして一般的なのが飛沫感染です。
ウイルス感染者が咳やくしゃみをすると、唾液や鼻水、その他の体液が飛沫となって体外へ飛散します。
この飛沫が誰かに付着したり、誰かがそれを手で触れて、自分の顔を触れたりすると、その人はウイルスに感染しやすくなります。
飛沫は空気の流れの影響をほぼ受けず、かなり近い場所に付着するもので、シカゴ大学の感染症対策医長、エミリー・ランドン氏によりますと、感染者から半径1.8メートル以内に10分以上留まった場合を、ウイルスへの暴露と定義しています。
そのため、世界保健機関(WHO)によりますと、機内で感染リスクが高まる席は…
感染者の座席の前後2列分。
感染者の列を含めると計5列の座席までは一定の感染リスクがある。
としています。
とはいえ、SARS流行時、香港から北京へのフライトでは、WHOが定めた前後2列分よりも、さらに離れていた乗客にも感染が及んでいたでした。
その結果、医学誌「The New England Journal of Medicine」のSARSとフライトに関する論文によりますと、WHOの2列という基準に確証はなく、もっと広い範囲で可能性があるとしています。
とはいえ、しかし、自分も感染者である場合もあり、誰が感染者??
なのか分かることは不可能です。
だとするならば、感染者かもしれないすべての人に遠く離れている場所に座るしか方法はありません。
このことから、ポイントになるのは「距離」なのです。
通路側、真ん中の座席はヤバい

通路側や中央の席に座っていると、客室乗務員や他の誰かがトイレに行くために脇を通過することがありますが、これがヤバい。
ペンシルベニア州立大学の教授であるワイス氏によると
「通過した人が感染者だとすると、席に座っている人に感染させる恐れがある」という。
機内でただじっと座っていることは不可能に近いですよね。
長時間のフライトになると、トイレへ行くことも数回あり、ストレッチしたり、頭上の手荷物棚から物を出すこともあります。
学術誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」のデータによると、3、4時間の中距離便の場合、6割以上の乗客がトイレや手荷物棚を開けるために、席を立っていたのです。
最も安全なのは窓際の席

そのため、乗客と距離を確保する必要があります。
最も席を離れる確率が低いのは、窓側の席に座る乗客。
窓側の乗客で席を離れたのは4割。
対して通路側の乗客で席を立つのは8割という。
これらの乗客の行動を考えますと、機内の安全な座席は一目瞭然。
感染のリスクを最小限に抑えるには、最後尾、または最前列の窓側の席を選び、飛行中は席を立たないこと。
機内へ乗り込むときは、最後尾なら最初に乗り込み、最前列なら最後に乗り込む事。
とはいえ、そこまで神経質にならないでください。
ワイス氏によりますと、機内での近距離接触は、ほとんどの場合短時間なため感染の確率自体はかなり低いと言います。
「通路側に座っていれば多くの人が脇を通り過ぎると思いますが、ほとんどの人は一瞬で離れて行きます。それらの接触を全て合わせても、感染の確率は極めて低い」という。
客室乗務員が感染者の場合は?

例えば、客室乗務員が感染者であった場合、対処の方法はありません。
乗務員は長時間通路を歩き、近距離で乗客と接する時間も長い。
研究のデータによると、感染者の乗務員は、4.6人の乗客を感染させる計算になるという。
機内で気を付けること

呼吸器ウイルスは、飛行機の座席やトレイテーブルなど、飛沫が付いた表面から感染することもあります。
付着した飛沫がどれくらいの間生存できるかは、それが鼻水か唾液か、付着した表面が材質によって異なり、また数時間で死滅するウイルスもあれば、数カ月生存するものもあります。
機内の清掃といえば、今は予算削減のために拭き上げるくらいしか行っていません。
除菌スプレーも機内に巻きますが、ウイルスが入り込むのはシートやテーブルの溝で、そこまで小さな場所に対応していないのが現実。
そのため、手っ取り早く対応できることとしては、マスクと共に、手袋をすること。
機内食を食べずに、小まめに水分補給をすることくらいになります。
それでも飛行機に乗りますか。
私は乗りたいです。

放送作家・演出家・地域戦略アドバイザー
1977年生まれ 熊本県天草市出身
株式会社ドーンマジック 代表取締役