資産を増やすという方法。
長年、日本で最も固いと言われていた不動産ですが…。
不況の足音が聞こえてくる中、この先どうなっていくのでしょう。

2000年以降、アパートの建設がブームとなり、業者がほぼ詐欺と言われる、頭金0でも始められる投資として人気が加速しました。

人気爆発したアパート投資

人気が出てブームになると、下火になるのが世の常。
ということを散々、このキャリア9でもお話しておりますが、案の上、アパートは余りまくって、いま空室率が増加しています。

2000年のブームの段階で、少子高齢化に突き進んでいることや、日本のこれ以上の経済成長は見込めそうにない…
ということが分かっていたにも関わらず…

なぜブームになったのか??

頭金0でということでサラリーマン投資家が動いた??
ではなく、先祖から引き継いできた余る土地の活用法として、当時選択肢は2つありました。

アパートか?
太陽光発電か?

まだ未知なる投資先である太陽光発電は、ちょっと不安。
と言う事でアパートに流れてしまったのです。
銀行やアパート販売業者はウソをついて、アパートをボンボン建てさせたのです。

空室率が止まらない

そのため、ブーム以前は平均10%程度の空室率から、現在は2倍の20%になっているのが現状。
地域によっては空室率40%に達している場合があり、こうした地域の老朽物件では、今後さらに空室率は高くなることが予想されます。

本当に不動産価値はあるの??

アパートはご存知の通り簡易的な建物です。
そのため、マンション以上に築年数によって入居率が下がる傾向があり、新築ならすぐ満室になりますが、築20年ではガラガラになりやすい。

それにマンションは都市部に近い、地価が高い土地に建てられていますが、アパートは地価が安い農地の中などに多い。
特に埼玉、千葉の畑の中にぽつんとアパートという光景があります。

大学の都心回帰や、学生数の減少。
働き方の変化もあり、住居の需要がみたされると、賃貸物件が余り始めます。
先にアパートの空室が増えて、最後に中心部のマンションに空室ができるのです。

アパート余りで老朽アパートに空室が増え、困るのは経営に躓いたオーナー。
通常アパートを建てるオーナーは不動産会社などから、詐欺まがいの「最良の予測」を聞かされて、それが確実なものだと誤解してきました。
不動産屋が話した見込み収益や返済計画は「うまく行った場合」ですが、オーナーには「確実にそうなる」かのように話します。
これが10年後や20年後にトラブルの原因になり、特にアパートが余り始めると問題が拡大します。

アパート再建は誰もやってくれない

安泰の未来予想を描いてアパートを建てた人の多くは、サブリース契約などで管理を委託しています。
「オーナー様は毎月の利益を受け取るだけ」
というもので、自分の所有物件なのに何も知りません。
自分が所有するアパートでいくらの経費が発生したとかも、知らないオーナーが多いのです。

アパートを建てた時の借入金の返済が残っているのに空室が増えてしまった場合、自分でなんとかして経営改善する必要があります。
そのため、失敗を回避するためには、当たり前のことですが、丸投げスタイルを止め、たとえば清掃費に払っている費用を、オーナー自身が見回ることで業者に依頼する頻度を減らせば、その分支出を減らせます。

できる事は自分でして、毎月の支出を減らしても赤字なら、物件を売却して処分することになります。

が、売却して借入金がなくなるなら、まだ復活出来る道はありますが、建設時の見込みが違ってしまい、ローンが残る場合が多くあります。

アメリカのサブプライムローン問題では、アメリカ人の多くが「払えないからって」というまんまの理由で、随分と借金を踏み倒しましたが、マジメな日本はそんなことは到底出来ないですね。

アパート経営失敗を回避するには??

そのヒントの一つがトランクルームにあると考えます。
空間を人だけが住むというものから、もう少し俯瞰で見てみましょう。

いま、トランクルーム市場が急成長しています。
特に都心部では、頻繁に見かけるトランクルームの市場がこの数年間で急拡大。
トランクルーム市場は2008年には250億円で、当時も成長していましたが現在は約550億円。
市場規模は来年2020年に700億円に達し、さらに伸び続けると予想されています。
トランクルーム店舗数は8,000店舗存在し、数年で1万店舗に達すると予想されています。

アパート借りずにトランクルーム??

需要が多いのは都心など都市部で、地方からの流入で人口が増加し、狭い住宅に高い家賃が常態化しています。
住居として複数の部屋があったとしても、人数分の個室を除くと「荷物置き場」になっている場合が多いですよね。

そのため、考え方を変えると、「住居」と荷物置き場を分けることで、居住スペースは広くなり、住居費を下げる事ができます。
断捨離もこのポイントに乗っかり、ブームとなりましたよね?
トランクルームの利用料金は住居として一部屋を借りるより安いので、需要が増加しています。

例えば、土地、家が大きいアメリカでさえトランクルームの普及率は10%。
しかし、まだ日本では0.3%でかなり低いのです。

トランクルーム利用によって、広い居住スペースと、安い家賃を両立できる利点が認知されると、市場はさらに拡大するかも知れません。

トランクルームはどう進化する??

都心部で多いのは屋内型で、値段は高くなりますが、便利な場所にあることと、24時間セキュリティや定温・定湿などを売りに、人気があります。
「荷物を置く部屋」が一畳1万5千円くらい。
都心で住居用マンションが、一畳1万円くらいなため、実はトランクルームの方が高いにも関わらず、借りる人が大勢居て繁盛しています。

しかし、1畳に入れられる量は、微々たるもの。
例えば、二重生活、ノマド生活をしようとするものにとって、生活用具を保管するところが必要になってきます。

その時、東京なら、木更津や熊谷、成田など都心部の近くにアパートを借りて、置いておくのが最近のスタイル。
6畳、3、4万円で借りられるアパートは便利よく、東京に戻ってきたついでに、そこに寝泊まりする。という事も出来るのです。

貴重品倉庫という位置づけも

湾岸にある寺田倉庫は、高世帯の貴重品を預かることで業務を拡大しています。
そこで、ドアだけを頑丈なものに変えるだけで、トランクルームよりも、もっと高級な倉庫が出来るのではないでしょうか。
エアコンつけっぱなしで、ワインの保管庫として利用がありそうです。

あとがき

アパートから、トランクルームへの転換という損失回避策を今回お話しましたが、私はボロアパートの大家なら、アパートのサービスの上乗せを考えます。

ボロでも住みたくなるアパート。

私は一人暮らしをしておりますが、やっぱり面倒なのが、掃除、洗濯、朝ごはん。
アパートの管理を大家さんが担当しているなら、少し手間が多くなるだけど、生活する人にとっては便利ではないでしょうか。

例えば…
週二回の洗濯
お風呂、トイレの掃除
ベッドメイキングなど

家賃を5000円下げるくらいなら、5000円分の家事代行を付けて、自動サービスのような形はありなのではないでしょうか?

家事代行を何度かお願いしたことあるのですが、呼ぶ手間や時間が拘束されるため、不便に思ったことがあります。
また料金も1回5000円以上発生します。
それを定期的に5000円でやってれるのであれば、こんな嬉しいことはないですよね?