お正月明けの1月3日。相場は動かないだろうと思いながらも、午前7時すぎに、パソコンのモニターにて為替の動向を見ていいたところ、いつもならゆっくり動くチャートが、急に暴れだし瞬く間に下落。
証券会社のチャートは2分くらいのフリーズ状態。
その後、フラッシュクラッシュが起こったことが判明。

ロングポジションを保有していた私は冷や汗が止まらず、2018年トルコショックで失ったポジションの再来かと思っていたものの、その時の教訓がいき、余裕を持ったポジショニングをしていたため助かったのですが、多くの人が損失をくらうことになった1日でした。

そのフラッシュクラッシュを起こす大元となったのはアップルでした。

そしてこのフラッシュクラッシュと株価暴落はアップルショックと名付けられたのです。

2018年12月四半期の売上高で、従来予想を最大10%下方修正したアップル。
この数年、新型機種が売れていない実態が判明。
さらに米中貿易戦争による中国での販売不振も原因となったのでした。

販売台数が減った理由は??

iPhoneの国内販売はiPhone7が最高で、その後7Plus、iPhone8、8Plusと減少の一途。
実にiPhone7の初動売り上げに対し、8Plusの初動は5分の1でした。
つまり2016年9月を頂点としてずっと減少し続けているのです。

理由としては、7からスペックがほぼ変わらない(素人には7で十分)こともありますが、iPhone 7の値段が約60000円だったのですが、その後上昇しXRとXSは10万円オーバーとなったのでした。
値上げするほど売れ行きが減少していましたが、値上げすることで販売減少をカバーしたのです。

そのため、この戦略は功を奏して2018年8月には史上初の時価総額1兆円企業になり、売上と収益は過去最高に。
ですが、転落はこの時すでに始まっていたのでした。

とはいえ、今までに販売したiPhoneユーザーがお金を使うことで、売上や利益は確保しており利益率は群を抜いています。
アップルのビジネスモデルは製品の販売ではなく、購入した人が課金する事で利益を得るので、売れなくてもかまわないという。

しかしながら、販売シェアが低下すると、いずれ課金ビジネスもじり貧。

「スマホだけでは食べていけない」

ということを早い段階知っていたのでしょう。
戦場をスマホ以外に求め、動画配信へ向かったのです。

ジョブズも気づいていた??

ジョブズはスマホに飽きていた??のでしょうか。
晩年、革新的なアップルTVの開発構想を「ついに解明した」と伝記作家に告げ、商品化に向かおうとします。

アマゾン筆頭に、ネットフリックスやフールー、ディズニー、さらにはオンデマンドの動画配信に軸足を移しつつあるケーブル大手など、ストリーミング動画の配信を手がける資金豊富なメディアがひしめいています。

アップルはその全てに対応する手段としてアップルTV向けのアップストアを導入し、優れたテクノロジーを武器にアップルTVの販売台数を増やす作戦に出たのですが…

テレビ局を支配しての動画配信計画

アップルには、テレビ局を支配し、傘下に治める壮大な計画がありました。

そう「アップルテレビ」です。

インターネットに常時接続したテレビが、各テレビ局から配信を受けて、利用者はアップルに料金を支払う。
各テレビ局は視聴者実績に応じてアップルから料金を貰うので、テレビ局がアップルの下請けのようになる。
アップルがApp Store iTunesでやっていた事をそのままテレビでやろうとした訳です。

アップル離れの原因は傲慢さ

IBMのロゴの下で、中指を立てるジョブズ

「ルールは俺が決める。お前は従うか消えるかだ」

ジョブズ後のアップルは、『いつも』これをやっています。

アップル社の「下請け」への傲慢な態度には定評があり、例えばNTTドコモとのiPhoneの交渉では、ノルマや罰金、制裁を打ち出して破談した。
販売台数の半分以上iPhoneを売り、目標台数に到達しなければ数千億円の違約金を支払う約束をして、ソフトバンクがiPhoneの販売権を獲得。
ドコモ、AUもしかり。

「この台数を売るなら販売させてやる。売れなければ違約金数千億円を払ってもらう」という一方的なものだそうです。
そのため、機種変の際、中古を高額で買取、出回らないようにして、新規契約にこだわっているのです。

なぜアップルはテレビ事業に失敗したのか

アップルテレビを巡るテレビ局との交渉も傲慢そのもので、「条件を呑むなら番組を放送させてやる」という態度だったと言います。

アップル創設以来の伝統として

「お前が俺に従うなら、ビジネスをさせてやる。従わないなら追放だ」

という強気を超えたものがあるのです。

それは、スティーブジョブズのアップル1号機からで、価格は自分の言い値で、高級車より高い値段で富裕層に売っており、iTunesでは「1曲1ドルでお前の曲を売らせてやる」と言ってタダ同然で音楽の権利を得て、それが成功の原因になったのです。

「おれの命令に従うか、それとも消えるかだ」という手法はジョブズの交渉の上手さとして美談になっていますが、いまは時代遅れ。
いつもの調子でアップルはディズニーや米テレビ界の大物達に安値で権利を手放すよう「命令」したが、従うところが無かったのでした。

音楽配信が成功した理由

音楽業界が1曲1ドルで権利を渡したのは、その頃ネット上で音楽の無断コピーが横行していたからでした。
無断コピーより少しはお金になるため、レコード会社やミュージシャン達は受け入れたのです。

そして、今のネット上を見ますと、一部で番組の無断コピーをまだ見かけますが以前より管理は厳しくなり、テレビ局の損失は特にありません。

よって、アップルに低料金で番組を配信しても、テレビ局にはメリットがないのです。
それよりアップルが広告を付けたとしたら、テレビ局の広告価値が下がるため、デメリットしかないのです。

あとがき

アップルはジョブズ流を継承するのを止めないとヤバイかもしれません。
テレビ局に対し、10年後にテレビを支配するのはアップルであり、従わない限り生き残れないと言って脅し、さらにアップルは広告無しの配信も求めた結果、テレビ局側は怒って交渉を打ち切ったと言います。
こうしてアップルテレビは失敗。

さて、この先アップルはどこへ向かうのでしょう。

アップルカー??
アップル通貨??
アップルコンビニ??

アップルの売り上げ減少でフラッシュクラッシュが起こったことを思うと、銀行や証券ではなく、アップルの崩壊が株価下落、そして世界恐慌を巻き起こすかもしれません。

アップルの空売りをするなら今から??

アップルの動向を見ながら、ショートポジションを狙うと一攫千金も狙えるかもしれませんね?