『ビル・ゲイツの幸せになる質問 もしも1日200円しか使えなかったら?』
資産10兆円のビル・ゲイツからの質問が紹介されています。

と、その前に…
簡単そうで正解できない「ビルゲイツの試験問題」をご存知ですか?
答えることが出来たら、あなたの年俸は1億円です。
実際は試験問題ではなく、グループディスカッションのお題だったようです。
なんとなく簡単そうに見え、答えもすんなり出せそうですが、果たしてそれは正解でしょうか。

多い回答はこれでした。
5Lすれすれまで水を入れた物を3Lの容器すれすれまで入れて捨て、5L容器に残ってる2L分の水を、3L容器に移し替え再び5L容器満タンまで水を入れ3L容器満タンになるまで水を入れる。
と5L容器に4Lの水が残る。

実は、これだと1回作業が多いと言います。
正解だと思われているのが、こちらです。

それぞれの容器の水を対角線になるようにすると、その容器の半分になるというのがあり、2.5+1.5で4リットル。

他にこのような問題が過去に出題されました。

  • 時計の長針と短針は、一日に何回重なるでしょう?
  • 富士山をどう動かしますか?
  • 長方形のケーキ、誰かがすでに一部を切り取っているとき、二等分するにはどう切ればいいでしょう。
    切り取られたケーキの大きさや向きはどうでもよくて、次に切れるのはまっすぐ1回だけです。
  • 南へ一キロ、東へ一キロ、北へ一キロ歩くと出発点に戻るような地点は、地球上に何か所ありますか。
  • ビリヤードの球が八個あります。そのうち一個は「欠陥品」で、他のよりも重くなっています。天秤を使い、重さを二回計るだけで、どの球が欠陥品か見分けなさい。
  • M&Mチョコレート(糖衣でくるんだ粒チョコレート)はどうやって作りますか。
  • 国税庁の役人になったとします。初仕事は、あるベビーシッター斡旋業者が税金をごまかしていないかを見抜くことです。どうしますか。
  • 世界中にピアノの調律師は何人いるでしょう?
  • 〇ビル・ゲイツの浴室を設計するとしたらどうするか?

などなど。
どれも知識だけで解くことは不可能。
柔軟な発想力と、諦めずに考え抜く精神力、物事の本質を見抜く洞察力が必要とされます。
事実、ビル・ゲイツ自身が「質問の正解はひとつではない」とブログに書いているのです。

そして、今回のタイトルになっています。

「1日200円稼げなかったら」

Q.
「もし、あなたが発展途上国に住んでいて、1日に200円しかお金を稼げなかったら、どうしますか?」

ビル・ゲイツ自身の答えはというと…
「200円を貯めて、オスとメスのニワトリを買う」

ニワトリを買ってきて育てれば、やがてタマゴを産んでくれます。
その後、タマゴからはまたニワトリが生まれます。
そのようにしてニワトリがどんどん増え続けていったら、どうなるか想像できますか?
貧しい家にお金が入ってくるようになります。
また資産として残ることになります。
さらに増えたニワトリを、また別の貧しい人にあげることが出来ます。

つまりこの質問は、たとえ1日200円の収入だとしても、どんな境遇に置かれていても、一文無しであっても、「富を生み続けて、人に分け与える方法はある」ということを教えてくれるわけです。
さらに「どんなに貧しい生活をしていても、未来に望みはある」という答えにたどり着くことも可能です。

本書では上記の「ビル・ゲイツへの質問」を手がかりに
「人は、いつでも、誰でも、どこにいても幸せになれる」
ということを伝えようとしているのです。

なぜ著者はこのような思想なのか??

著者は「社会貢献家」として活動する人物。
かつて、その活動に興味を示したビル・ゲイツから食事に誘われるも、先約があったためお断りしたのだとか。
「先約があった場合、あとからのオファーは断る」
という自分なりのルールがあったからだといいますが、ビル・ゲイツから「日本人で僕の誘いを断ったのは、キミが初めてだ」と驚かれたそうです。

しかし、そんなことがあったからこそ、同じ社会貢献家として、自分で得た財産を人々のために惜しげもなく注ぐビル・ゲイツには深く共感しているのだといいます。

著者が考えるビルゲイツの思想

ビル・ゲイツは2つのことを伝えたかった。

  • 「世界の人を幸せにするためにはどうすればよいか?」
    ということ。つまり、この質問を受け取った人自身の生き方を問いかけています。
  • 「世の中はたったひとつのアイデアで、大きく変えることができる」
    ということ。事実、彼はWindowsというソフト(=アイデア)を世に広め、世界を一変させています。

世界中の人々がそれぞれを答えを出し、自分の人生の時間を使って、なにが正しいのかを実際に確かめる。
それこそ、ビル・ゲイツが望んでいる答え。

こんな時代だからこそ人と会おう

世界のさまざまな問題を解決し、多くの人々を幸せにするためにはどうすればよいのか?
その問題を解決するためのヒントとして、彼のスピーチにありました。

ビル・ゲイツはいつも多様な人と直に交わり、知恵を出し合うことに努めていました。
彼は会社から引退するときにも、社員向けのスピーチでこう語ったといいます。

「インターネットがこれほど発達した時代だからこそ、直接、人と会うことの価値が増す。なぜなら、インターネット上の情報は、すでに何百万人もの目に触れたものだ。しかし、直接誰かに会って聞いた話は、限られた貴重な情報となる」。

著者も被災地の支援を通じ、本当の人脈や情報、価値のあるアイデアは、現地で関係者にあってみなければ得られないということを実感してきたそうです。

「問題の解決に取り組むときには、ビル・ゲイツの教えてくれた
『現場に行き、直に人と交流する』
ということを心がけるべきだ」と主張しているのも、そんな経験があるから。

世界一のお金持ちでも世界は救えない

『フォーブス』が2018年に行った調査によれば、ビル・ゲイツの資産は921億ドル(およそ10兆円)。
そして慈善活動に関する報道・調査を行なっているアメリカの雑誌『クロニクル・オブ・フィランソロピー』によると、2017年にビル・ゲイツは自分の財産から48億ドル(5200億円)を寄付したのだそうです。

しかし、

今、世界は、とても深刻な問題が山積みです。
世界一のお金持ちなら、お金ですべてを解決できるのでしょうか?
おそらく彼は、それが不可能であることを知っています。
なぜなら、地球環境に関わる問題は、世界中の人たちが取り組まなければ、けっして解決しないからです。

同じように、貧困問題を解決するために大切なのはお金を配ることではありません。
本当に必要なのは、持続可能な救済活動。
つまり、世界を救う方法は、みんなが力をあわせるということだというわけです。

上記のクイズ解けました?

著者によれば、マイクロソフト社には全世界から毎月1万3000人から入社を希望する書類が届くのだそう。
そして、そのなかから選び抜かれた5名に対してマイクロソフト本社への飛行機チケットが送付され、ビル・ゲイツの面接を受けていたというのです。
その結果、彼に気に入られた人材は、その場で1億円の小切手を渡され、マイクロソフト社に入社できるという流れ。

あとがき

人に会う事。面倒に感じてしまい、私も自分から積極的に会いに行くということを苦手としていますが、作詞家の秋元康さんは、常に新鮮が自分でいられるよう、定期的に「嫌いな人に会う」ということを行っています。

「僕は定期的に嫌いな人に会うようにしているのです。なぜなら嫌いな人というのは、自分に似ているか正反対か、どっちかなんです」
と秋元氏。

その人のことを嫌いな理由を考えることで、自分の好みや信念などをあらためて発見できるのです。

「人生無駄なし!」
これも秋元氏の信条のようです。