ホテルの予約サイト戦国時代ですが、みなさんは何をお使いですか??
私は年間50日ほど出張に出るのですが、個人的に、国内で一番安いレートを提示しているのは、ホテルズドットコム、そして海外ではブッキングドットコムと感じています。
本日はそんなブッキングドットコムのお話です。

1日あたりの予約数は155万泊Booking.com。
過去10年の利益成長率がアップルやアマゾン、ネットフリックスという巨大テック企業を上回っているのです。
親会社Booking Holdings(本社・アメリカ)は、2018年の売上高145億ドル、営業利益53億ドル(営業利益率36.7%)。
競合のExpediaグループ(売上高112億ドル、営業利益7億ドル)と比べても、優位性のあるビジネス基盤となっており、強敵Airbnbに立ち向かっています。
本日は、そんな飛ぶ鳥を落とす勢いがあるBookingの強さの秘密をみて行きます。
シンプルさを追求すること

Airbnbを使ったことがありますでしょうか?
その利用料の安さから、一度はチャレンジしたことがある人は多いと思います。
とはいえ、いざお気に入りの物件を見つけ予約すると…
その後、家主との間にメールのやり取りが何度も何度も続きます。
終いには、「この物件は貸し出せない」なんていう労力と時間の無駄遣いという現象がおこることもしばしば。
また、他の予約サイトでは、顧客の取り込みを狙うため、必ずと言っていいほど、新規会員登録がありますが、これも少々面倒ですよね?
ここが「Booking.com」の強み。
面倒な手続きが圧倒的に少ないのです。
競合のAirbnb他、旅行予約サイトに対して持つアドバンテージの一つなのです。
スマホ予約が強い

シンプルさを求められるのは、スマホ予約の時。
実にBookingでは約50%がスマホで予約。
そして、国内予約も半数は「日本人」という状況なのです。
Airbnbが狙う物件も扱う強み

ブッキングでは、一般的な予約サイトでみる、ホテルだけではなく、民泊も取り扱い、そしてツリーハウスや灯台、サウスカロライナ州の小エビ捕り船といった、変わり種の物件も取り扱っているのです。
なぜか??
それは宣伝効果があるため。
注目を集めるため、例えば、同社は映画『フィールド・オブ・ドリームス』の舞台になった農場といった珍しい宿での限定宿泊を高額で提供しています。
なんで、そこまでして宣伝するのかというと…
認知度で負けっぱなしの「Booking.com」
例えば、Airbnbは、家や空き部屋を所有している人なら誰でも起業家になれる機会をつくり出しました。
スタートアップ時の企業価値310億ドル。
「コミュニティ」や「コネクション」「ビロンギング(つながる)」というテーマにが設定され、認知度が拡大。
実にAirbnbが2008年の創業以後にマーケティングに使った資金は、たった3億ドル。
対してブッキング・グループは20181年間だけでも45億ドルのマーケティング費を使用。
それでもなお、消費者からの認知度で後れをとっており、創業の地であるヨーロッパでは強いのですが、アメリカでは苦戦しているのです。
今後狙うのは、旅行者一括予約システム

いまブッキングは提供内容を拡大しようとツーリズムにまで力を入れています。
体験提供マーケットを統一しようとしたスタートアップは、今も多くありますが、どこも地元にフォーカスしてつくられたビジネスを、国家や国際レベルのサービスまで拡大させるのに苦戦しています。
しかしブッキングでは、「コネクテッドトリップ」戦略と銘打ち、収益最大化を加速させようとしているのです。
コネクテッドトリップ戦略とは?

ホテルの予約、現地のアクティビティーの手配、レンタカー手配、タクシー配車まで、旅のすべてをBooking.comを入り口にできる利便性を提供することで、収益最大化を加速させる狙いがあります。
移動手段といえば、旅行者がストレスを感じる要素の1つ。
それを解消すべき、第一弾として東南アジアを中心にサービス展開をしている、タクシー配車サービス「Grab」のサービスをBooking.comアプリ内に取り込みました。
これによって、Booking.comを利用する旅客は、Grabの会員になる必要なく、滞在先でタクシー配車サービスを利用できるようになるのです。
さらに成長余地はまだまだブルーオーシャン。
航空券、地上のアトラクション、地上交通機関などさまざまな部分を現在拡大して強化中。
これをすべてつなげることができれば、コネクテッドトリップが実現できます。
旅行者が1カ所(のサービス)を訪れれば、すべての要素を叶えられるという体験を提供するという。
急成長のワケは「多様性」と「文化との調和」

オランダを代表するスタートアップから世界的な企業へと急成長を遂げた同社。
そこで働く従業員は世界中から集まっており、国籍は150。
そのため、社員食堂は150国籍の社員に対応するため、世界各国の調味料が揃えられています。
そして、多様性が根付く文化は、サービスに落とし込まれる訳です。
つまりブッキング・ドットコムは43カ国語で運営され、24時間、世界中のどこにいても多言語でのサービス、サポートが受けられるようになっているのです。

放送作家・演出家・地域戦略アドバイザー
1977年生まれ 熊本県天草市出身
株式会社ドーンマジック 代表取締役
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