目次
1.いじめの深刻化を予想するAI

滋賀県大津市の教育委員会では、過去に寄せられたいじめの疑いがある事案のデータをAIで分析し、深刻化予測に役立てる取り組みを始めています。
目的は、教員の経験値に頼らず、AIがデータに基づく論理的な分析をすることで、しっかりと事案に対応していくこととされています。
これによって、深刻化しやすいいじめの傾向が導き出せるようになるということです。
分析するのは13~18年度に市内の小・中学校から報告のあった9千件。
被害児童生徒の学年や性別、事案の発生時期や場所などのデータを抽出し、統計学的に解析する。
作業には大学教授など教育研究者が立ち会い、事案が発生した学校の規模や担任の勤続年数など幅広い観点から分析を進める。
分析結果をもとに、長期化するいじめの特徴や早期の解決につながった学校の対応などを予測する。
同市では2011年10月、いじめを受けた市内の中学校の当時2年生の男子生徒が自殺するという事件が発生。
学校や教委の対応が問題視され、大きく報道された。
これを契機に、いじめ防止対策推進法制定につながっていく。
2.インスタグラムもイジメ防止AI

インスタグラムでは、イジメにつながる不快に思われる可能性があるコメントを、投稿前に知らせる機能を導入。
世界で大手テック企業への規制強化の声が高まるなか、フェイスブック傘下の同社は自主規制に乗り出した形。
ユーザーが不快なコメントを報告するのではなく、AIが「SNSの良心」を担う役割を果たしている。
AIの介入によって
「コメントを再考したり書き直したりするチャンスが与えられ、相手を傷つけるようなコメントの投稿を防ぐ」
と、インスタグラムの責任者のアダム・モッセーリは説明。
3.クマ型ロボットが保育士の負担やミスを軽減!

グローバルブリッヂホールディングス(HD)は東京都豊島区東池袋にある直営の保育園で、クマ型保育ロボット「ヴィーボ」1台を試験導入。
保育業務支援システムの「CCS+pro」と連動し、園児一人ひとりの入園時刻や退園時刻、昼寝の時間、寝返り回数、体温、呼吸回数などを把握できる。
19年10月からは人工知能(AI)の活用も検討。
ロボやAIなどIoT(モノのインターネット)をフル活用し、保育士の負担軽減やサービス向上につなげる。
クマ型ロボはどんなロボット??
園児に親しみを持ってもらうため、身長を70センチメートルに設定。
園の玄関に設置し、園児や親がキーホルダーをかざすと特定の個人を認識し、例えば「はるかちゃん、おはよう」などと声をかける。
保育園では園児のおむつにセンサーが装着されており、体調変化をチェックする。
負担とミスを軽減
昼寝の時は体の向きや体動を検知し、うつぶせ寝になった場合は保育業務支援システムに送信。
窒息死などの事態を防ぐ。保育士は1人で大勢の園児を見るため、個人のチェックに限界がある。
ほか事務系や園児の関係者とのやりとりなどの仕事もあり、ロボや業務支援システムの併用で負担やミスを軽減する。データ記録が保存されるため、事故予防の行動予知などにも利用できる。
幼児は人により体格差や成長差が大きいため、個人管理が必要になる。AIの学習機能をこれに活用するのです。
4.医学論文をまとめてくれるAI

大量の医学論文を読み込まなければならない医師を支援するAI。
医師の作業で一番大変だと言われている論文読破。その数は1,000本になり、尋常でない数。
しかも1,000本の医学論文となれば「大量」に「難解」が加わる。
医師にとっても医学論文は難解な内容になっている。
なぜなら医学論文は、過去に見つかっていなかったことを発見・開発したときに世界に向けて公表する報告書だから。
その道のプロでも知らないことが載っているのです。
しかも昨今は、STAP細胞問題が記憶に新しいが、科学論文のデータ改ざんや不正といった「事件」が東京大学や京都大学や早稲田大学といった超一流大学でも頻繁に起きています。
つまり単に論文に「目をとおす」だけでなく、「熟読」し「真偽を見極める」必要が出てきます。
さらに論文が「真」であったとしても、CKD診療ガイドラインに掲載すべき価値があるかどうかの判断もしなければならない。
そこで活躍するのがAI。
論文を10本に絞り込む
評価すべき医学論文は1,000本あるが、そのうち、次のCKD診療ガイドラインに掲載すべき内容が載っている論文は10本程度にすぎない。
そこで神田氏は1次スクリーニングをAIにさせてみようと考えたのである。
スクリーニングとは「ふるい落とし」という意味。
1本の医学論文を最初から最後まですべて読み、内容を審査することは大変なので、まずは医学論文の概要だけを読み、そこで「価値なし」と判断したものは、それ以上審査しないようにする、これが1次スクリーニングだ。
どうやってこのAIを発想したの??
医師である神田氏がなぜ「医学論文の読み込みにAIを使おう」と発想したのかというと、氏は疫学の研究にも携わっていたから。疫学は、集団の病気傾向や予防を研究する学問分野で、統計学を必要とする。
神田氏は統計学を使うときにR言語などのプログラム言語を使った。
神田氏はコンピュータを使って大量の情報を処理、分析、推論することに慣れていたため、AIによる1,000本の医学論文の1次スクリーニングを思いついたのである。
テキストマイニングで価値ある論文を選ぶ
神田氏が注目したのはAI技術のうち、テキストマイニングと呼ばれる手法。
テキストとは「文章」という意味で、マイニングとは「掘り起こす」という意味である。
つまりテキストマイニングでは、読み込んだ医学論文を単語の単位まで分解し、出現頻度や単語どうしの相関関係などを分析する。
神田氏は自然言語処理というコンピュータ解析(テキストマイニング)により、CKD診療ガイドライン改訂委員会メンバーたちが関心を持っている論文を抽出しようとしました。
5.長文を3行にまとめてくれるAI

インプットを加速化させるAIがあります。それが長文を3行にまとめてくれるAIの「IMAKITA」。
これで、記事を読む時間が短縮され、たくさんの情報を取り入れることが出来るのです。
・どのレベルの精度なのか、どんな文章でも大丈夫なのか。
「IMAKITA」は文章中の重要度の高い文を選んで抽出し、その文を並べて表示するという仕組みになっています。
https://www.qhapaq.org/imakita/
また、使い方はめちゃくちゃ簡単で、上記URLのページを開いてテキストボックスに文章を入れてボタンをクリックするだけ。
日本語のほか、中国語と英語、スペイン語、ドイツ語、フランス語、ポルトガル語、イタリア語に対応しているとのこと。

放送作家・演出家・地域戦略アドバイザー
1977年生まれ 熊本県天草市出身
株式会社ドーンマジック 代表取締役