Webサービスの利用者数はWithコロナが長引くにつれ右肩上がりを続けています。
しかし、コンテンツがありすぎるため、消費者の興味や関心は長続きせず、新鮮さのないサービスは廃れていく運命。
スマホに入れた多くのアプリ。
毎日アクセスする人は、一体どれくらいいるのでしょう。
そこで、今重要視されているのが、「いかにして現実世界に連れ込むか」。
ミニゲームをハマらせる中国ECのアイデア
顧客との重要な接点をつなぎ留める方法として、中国のECサービスではアプリに「ミニゲーム」を導入する企業が増えています。
例えば、アリペイアプリ内のミニゲーム「アント庄園」。
鶏を育てるといういたって単純なゲーム。
毎日運動させる必要があり、鶏とバレーボールなどをやり、運動量が大きいと鶏はよく育ちます。
さらに利用額に応じて、鶏の餌が手に入るという昔よくみたゲームなのですが、このECサービスで提供されるのは、ただのミニゲームではないのです。
鶏が大きくなるにつれ、卵を生むのですが、その卵を使ってあるゲームが出来るのです。
それが…
トップ企業のアイデア

本物の卵を寄付をすることができる
このゲームで生み落とされた卵は、本物の卵となり貧困地区の子どもたちに寄付されるのです。
すでに累計4億人が遊び、このゲームによって、150億個の卵が子どもたちに贈られたのでした。
ソーシャルEC「拼多多」のゲームで梨をゲット

ソーシャルEC「ピンドードー」の「多多果園」は梨などの果物を育てるゲーム。
プレイヤーは毎日、水や肥料をやる必要があり、水や肥料は、ピンドードーで買い物をすればするほどたくさん手に入り、果樹が早く育ちます。
そしてこれを収穫すると、自宅に本物の梨が送られてくるのです。
リアル還元型が広まったきっかけ
2016年アリペイが始めた「アント森林」。
アリペイで「シェア自転車に乗る」「エコ商品を買う」などの環境保全を考慮した決済を行うと、それに応じて排出削減できた二酸化炭素量がポイントとして貯まるのです。
その後、アリペイアプリ内のバーチャルな木が育っていくという仕組み。
木が育つと、緑化を必要としている地域に本物の木が植樹されるエコ意識を刺激する仕掛けなのです。
結果、この活動に5.5億人が参加し、中国国内8カ所の敷地に2億本が植樹され、その範囲は、東京23区の面積の3倍弱の広さに相当し、中国では最大級の公益活動になってのでした。
ポイントは体験型をつなげる+社会貢献。
いかに自分が社会の一員になって、国や世界に貢献しているのかを実感させてあげること。
今後、アフターコロナでは、企業の役割として「社会貢献」を掲げる企業が増えると予想されます。
Webサービスのみならず、外食やホテルでも利益の追求もさることながら、「社会貢献」をテーマに新規事業を立案した方が可能性が広がるのではないでしょうか。

放送作家・演出家・地域戦略アドバイザー
1977年生まれ 熊本県天草市出身
株式会社ドーンマジック 代表取締役