ウーバータクシーの浸食を阻止しなければ日本のタクシーはやっていけないのです。
それもそのはず、タクシー業界は現状は90%の会社が赤字とも言われるほど厳しい状況。
そんな中、顧客満足を追求し、地域で圧倒的な支持をうける業績好調のタクシー会社が存在します。
目次
それが長野中央タクシー。

さらに、離職率20~30%といわれるタクシー業界で、
離職率は驚きの1.5%なのです。
中央タクシーに接客マニュアルは存在しない。
あるのは経営理念のみ。
実際、「お客様が先、利益は後」の経営理念があるのですが、
この理念からくる、お客様からのある行動が、社員のモチベーション向上になっているのですが、
それは・・・
トップ企業のアイデア

感謝の手紙
規則を作らない中央タクシー

中央タクシーの乗務員たちに義務付けられているのは次に3つだけ。
- 「雨の日の傘」
- 「人手によるドアの開け閉め」
- 「乗車時の自己紹介」
荷物運びを手伝うなど、それ以外のサービスはすべて運転手が自主的に行っています。
それ故に、乗客から感謝の手紙が絶えなく、その手紙を元に、サービスを共有するのです。
さらに質の高いサービスを支えているのは、驚くほど仲の良い社員たちの人間関係。
離職率20~30%といわれるタクシー業界で、中央タクシーの離職率はわずか1.5%と圧倒的に低い。
社員の幸せが乗客を幸せにするという好循環を生み出しています。
サービスは乗務員が判断する

お客さんからの手紙を元に、サービスは従業員が設定します。
例えば、98年に地元の長野で開催された冬季五輪では、マスコミが長野のタクシーの大半を借り上げたのだが、長野中央タクシーは、借り上げをできるだけ辞退した。
現場の乗務員たちが
「借り上げに応じると、病院に通っている高齢のお客さまが使えなくなる。どうするんですか?」
と反対の声を上げたから。
五輪特需を逃すことになったが、常連のお客さまを優先すべきと判断したのであった。

99年からは「空港便」をスタート。長野から羽田、成田などの空港まで、
予約制の乗り合いの大型タクシーでお客さまを送迎するサービス。
お客さまの自宅まで行くので、荷物の持ち運びも必要ない。
早朝や深夜なら寝ていける。
特に高齢の方からは好評で、主力事業に成長している。
保有しているタクシー約120台のうち、約70台が空港用という。
「お客さまが先、利益はあと」の精神が凄い

ヤマト運輸の故小倉昌男氏が掲げた「サービスが先、利益が後」をアレンジして掲げています。
こんなエピソードがありました。
空港便が予想外の大雪で立ち往生し、予定のフライトにお客さまが乗り遅れ、1泊せざるをえなくなったことがあった。
従業員の判断で空港近くの一流ホテルに部屋を用意し、最高級の料理を出しておもてなしをした。
代替の航空運賃も含めて経費は150万円かかったという。
しかし「お客さまが先、利益は後」という経営理念をトップが実践したことで、社内に示しがついたという。
あとがき

お客の声を聞くことで言いますと、直接的に聞くだけではなく、いまは便利ものがありますよね。そうSNS。
サウスウエスト航空では、お客様の声を拾い上げようと、今でこそスタンダードになりつつありますが、どこよりも早くWifiを導入したのです。
リスニング・センターでは機内にいるお客様の心配の声をSNS経由で拾い、フライトアテンダントを経由してスピーディーに問題解決に努めることで、さらなる顧客満足度向上につなげることが可能となりました。
また、例えば、婚約したばかりのお客様や誕生日のお客様がいたら、機内でフライトアテンダントが盛大にお祝いをする→居合わせたお客様や、本人達が動画、写真を撮る→機内Wifiのおかげで、その瞬間が瞬時にコメント付きで拡散されることが増え、よりファンが増えるきっかけとなったと言います。

放送作家・演出家・地域戦略アドバイザー
1977年生まれ 熊本県天草市出身
株式会社ドーンマジック 代表取締役
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