アメトークでも、「ココイチ芸人」の回が高視聴率を獲得したことでも分かる、日本人にココイチ嫌いな人いない説。

積極的に食べには行かないけど、行ったらまずまず満足。
もう絶対に行かない!という人はほぼいないのではないでしょうか?

そんな中…
日本での市場がこれ以上伸びないと、各企業が進出を急ぐ中、やっと日本のココイチが海外へシフトチェンジを行いました。

ココイチがインドへ海外進出!

その先が、カレーの本場、インド。
2020年より「カレーウスCoCo壱番屋」(ココイチ)を運営する壱番屋がカレーの本場インドで勝負すると発表。

三井物産と共同出資で新会社を設立。
三井物産が持つネットワークや知見と、壱番屋のカレー店運営のノウハウを持ち寄りインド市場を攻略。

「日本に住むインド人はココイチが好きなの??」という徹底的なリサーチを踏んでからの進出か分かりませんが、はたしてココイチはインドで成功するのでしょうか。

ニューヨークの一流寿司屋が、日本に進出しているでしょうか。
ロサンゼルスの人気ラーメン屋が、日本で成功しているのでしょうか。

このように、全くの新しいものではなく、本場に切り込み、本場のものと勝負するのは、革新的な何かがなければ、必ず敵討ちにあいます。
最近では、いきなりステーキがアメリカで敗北したのをご存知でしょう。

ココイチの「うま味」は通用するのか?

日本の一般的なカレーといえば、小麦粉でとろみをつけ、うま味やコクの特徴を出すのが主流です。

対して、インドでは小麦粉を使わず、ルーはサラッとしており、スパイスを効かせたものが主流。
スパイスはトウガラシ、ターメリック、クミンシード、シナモン、ココナッツなど多くの種類を使います。スパイスのよく効いた汁気の多いソースを細長いインディカ米やナンで食べるのが一般的。

対して、日本のカレーはスパイスの量は少なくとろみがあります。
このとろみに、日本独自の「うま味」が入り、美味しいとされているのですが、インドでは「うま味」に馴染みがなく、「うま味」を美味しいと感じることが出来ない人が大半なのです。

カレーライスとスープカレー。
2つは別の食べ物とみても異論はないと思います。

さらに!
インド人は食に関しては、ある凝り固まった国民性があると言い、これを理解していないと、外食のインド攻略は難しいと言われています。

それが…

トップ企業のアイデア

見慣れない食べ物は食べたくない。

インドは、食に保守的という国民性があります。
いつも食べているものは、毎日食べても飽きることはなく、毎日の食べ物こそ正義で、見慣れない食べ物にチャレンジする気持ちはそれほど強くはないという。

では、なぜココイチはインドに進出したの??

外国チェーンの浸透が加速するインド

現在インドでは、「マクドナルド」、「ケンタッキーフライドチキン」、「ドミノピザ」という世界的な飲食チェーンが浸透してきています。

また、主要都市を中心に、欧米など外国のライフスタイルに憧れる中間層の購買力が増加。
そのため、外国の飲食チェーンを受け入れられる素地は整いつつあり、前述した見慣れない外国の食べ物だからという理由だけでは拒絶されにくくなっているのです。

人口約13億人のインドで成功すればビッグビジネスを狙わない手はありません。
とはいえ、日本の代表的なマクドナルドの味である、テリヤキバーガーは売れるのでしょうか?

はい。
売れません。

マクドナルドといえども、インドに関しては必ずローカライズしているのです。

インド成功のカギは積極的なローカライズ

例えば、マクドナルドはインドでは「spicy(スパイシー)」や「chilli(チリ)」といった言葉を冠した商品を多くランナップ。
香辛料が効いた料理を好むインド人に合わせたメニューを提供しています。

また、インドではヒンズー教徒とイスラム教徒が人口の大半を占めます。
ヒンズー教徒は牛肉を食べず、イスラム教徒は豚肉を食べません。
そのためマクドナルドの野菜バーガーもヒットを飛ばしているのです。

インドのマクドナルドのメニューによりますと「スパイシー」が独立した商品カテゴリーになっています。
また、地方領主を意味する「マハラジャ」の名を冠した「マハラジャバーガー」をインド限定で販売。
インド向けに積極的にアレンジして、市場の攻略を図っているのです。

個人店でもローカライズがカギ

以前は日本の中華でも甘ったるいエビチリや麻婆豆腐があり、日本に合わせた味付けがされていましたが、今は日本で中華を食べても、本場の味と言われてるのが主流です。

しかし、インドの中華料理では、アレンジを利かせたものが大半。
通常の中華料理にインド独特のスパイスを入れ、インド人の好みに合った味付けにしています。

そして、これが立派な食文化を作り上げ「インディアンチャイニーズ」と呼ばれインド人に広く受け入れられているのです。

また、日本料理店も味付けをインド風に。
例えば、鉄板焼きのソースに豆板醤や唐辛子、マサラなどのスパイスを加えて刺激を出すようにするなど、日本のスタイルそのままを出すのではなく、インド人が好む味付けにして提供しているところが多いのです。

インドでプチ日本食ブーム

インドでの日本料理の存在といえば、、イタリア料理や中華と比べてまだマイナーな存在。
しかし、世界中で起こるヘルシーブームによって、インドの有名人が「健康に良い」という理由で、寿司などの日本食を食べていることをメディアで紹介し、一般人が興味を持つケースが増えています。
いま、インドでもじわじわ日本食に注目が集まり出しているです。

とはいえ、他の国同様にインドでも日本料理といえば寿司、うどん、天ぷらが基本ラインであり、「日本のカレー」はほとんど知られていません。

この状況の中で、カレーソースは日本のものと同じ味付けにし、辛さのレベルやトッピングの具材などを選ぶ方式もそのまま持ち込むという。

インド進出について、ココイチ曰く
「世界最大のカレーの消費国でありマーケットは広がっている。本場の地で勝負したい」
としており、2030年ごろまでには30店舗を展開する予定。

主力商品780円は妥当か??

街の食堂に比べれば1.5倍の値段。
とはいえインドには、これよりも高いレストランもあります。
今までにないものとういうこともあり、利益を出す上では妥当なライン。

インドで受け入れられるためにはどうすれば良い?

インド人はカレーに強いこだわりがあります。
日本のカレーをそのまま持って行っても、インドの人は「えっこれがカレーなの?」と思うと言います。

そこで、ある程度インド向けにアレンジする必要性が出てくると思いますが、ココイチの戦略通りに、日本のカレーという方向性は崩さない方が、インドのカレーと差別化出来、ブームにするという目線でいうと、時間はかかると思いますが、その方が生き残るの可能性が高いのではないでしょうか。

あとがき
ココイチが根付くには??

「ジャパンクオリティ」という言葉が世界中で知られていますが、最近は食の分野でもジワジワきていることを感じます。

先週ベトナムへ滞在した際、一人ご飯はすべてラーメンを食べました。
理由はベトナム料理に飽きたから。

滞在中、仲間と食べに行くのはベトナム料理で、毎食食べているとやっぱり飽きがやってきます。
そこで、スープが濃い日本のラーメンが食べたくなり、web検索してみたところ、ホーチミンだけでも30軒近くあったのです。

そのうちの一杯800円前後の日本と変わらない料金設定のお店4軒ほどを食べた感想としては、美味しくない。
日本のラーメンと違う!というものでした。

ですが、マズくはない。
この味レベルなら、日本でもいっぱいあるという、わりとと王道のもの。
そのため、現地の日本人に人気で、しっかりとした収益を上げていたのです。

飲食店の海外進出はいまベトナムがねらい目です!
ホテルのスタッフに聞いたところ、日本のものは信用があるから、ラーメンも大好き。
でも高いから、たまにしか食べないけど。との事でした。

アメリカの寿司、ラーメンでも同じですが、抜群に旨くなくても、「日本製の信頼がある今のうち」は、「日本クオリティ」として、押し通せると思います。

インドでは2台に1台の割合でスズキ車がある実情。
インドでも、ベトナム同様、「日本製」について、国内で信頼力が浸透している間であれば「ジャパニーズカレー」として受け入れられるのではないでしょうか。