新型コロナウイルスの影響でアメリカ株式市場が暴騰、暴落を繰り返し、つられて世界の株式市場や債券市場も乱高下しています。
コロナショックは、リーマンショックと比べられますが、株価の下落率だけ見ますと、まだリーマン級とは言えません。

リーマンショックの下落率

【ダウ平均】
2007年10月11日に「14,198ドル」の最高値を付けた後、約1年半後の2009年3月9日に「6,470ドル」の最安値をつけ約55%の下落となりました。

【日経225】
2007年2月26日に「18300円」の最高値を付けた後、2008年10月28日「6994円」と約62%の下落となりました。

現在、最終的にリーマンショック級の暴落となるという予測が高まっており、アメリカの個人投資家のショートポジションは膨らんでおります。

個人投資家は勉強熱心です。
歴史を頭に叩き込んでおり、仮にコロナショックがリーマン級と想定されるならば、6月頃までにダウ平均は約40%以上下落。

そして日本株はさらに下落率が大きく約45%。
まだ落ちる未来になるのでは。
と歴史検証とデータではじかれています。

想定は15000ドルが底??

ダウ平均株価は2020年2月12日に29551ドルの最高値をつけたため、例えば半分の下落で約15000ドル。
日本株は11500円まで下落するのが想定として上がってきます。

このように想定すると、リーマンショックのように半減で踏みとどまり、それが底と仮定した場合15000ドルの値になるため、株を買うならそこまで待ってからになります。

とはいえ、リーマン時と違って、アメリカやヨーロッパでは大胆な政策対応がどんどん出されてない??
と思うところです。

リーマン以降、アメリカでは金利上昇の成功があり、FRBなど複数の中央銀行が、早々に政策金利をほぼゼロに引き下げ、大規模な資産購入を再開しました。
そのため、ダウは一旦下げ止まりを見せ、上昇局面を何度も作っています。
とはいえ、FRBの支援はどこまで持つのでしょう??

政策の期待感で上がるダウ

FRBは現在大きく価格が下落している社債などを買い支え、信用リスクを和らげる措置を実行しています。
企業債務の貸し倒れリスクを事実上肩代わりする対応となり、2008年のリーマンショック後の金融危機時にも採用された政策です。
そのため、政策への期待が市場の不安心理を落ち着かせ、なんとか踏みとどまっている状態にあります。

ここでもう一度、歴史を紐解くと、リーマンショック時も一時爆上げする場面が何度も訪れては下落を繰り返した過去があります。
そのため、たとえFRBの対応で信用市場の緊張が和らいだとしても、経済、金融市場へのネガティブな影響は止まることがなく、綱引きの状態が今後も継続すると想定されます。

また個人に対しても、一人1,200ドルの小切手給付、休業者への所得補償などの財政政策の準備が進んでいますが、私のニューヨークの友人によると、手続きにかなりの手間と時間がかかり、役所はパンク状態のため、この給付もいつになるか分からないということ。

発表で安心させ、あえて混雑するようにして、その間に収束したらラッキーと政府は考えるのでは?
と疑ってしまいます。

その収束においての希望的観測ですが、夏までにも何とか収まりそうじゃない。
という雰囲気がどことなく漂っている世の中。

しかし!

例え収まったとしても、この経済ショックは深い爪痕を残しそうです。

戦後初めてロックダウンされたニューヨーク

ニューヨークがロックダウンされたのは戦後初めての事例。
そのため、歴史からひも解くことが出来ず、ロックダウンの影響を測るのは困難。

とはいえ、いまここが最悪の状況と仮定して、アメリカの経済はどれほどダメージを受ける予定なのでしょうか。

サービス産業が全滅したアメリカ

日本でもいまインバウンド関連やホテル、レストランが明日にでも倒産か。
と言われている現状です。

それはニューヨークにおいても同様のことが起きており、倒産が今後続発する可能性があります。

アメリカにおいてサービス消費産業は経済全体の約7%を占めます。
サービス産業とはつまり個人消費のことで、GDP7%が消滅することになるのです。

仮に夏ころの収束し、そこから正常化したとしても、4〜6月のGDP成長率は、前期比年率ベース25%以上減少する可能性が出てきます。

アメリカのことですから、世界各国を弱らせておいて、自国がまた急激に復活することも考えられますが、それでも、2020年のアメリカ経済成長率はマイナスに縮小することになり、歴史が証明するように、12年サイクルで経済は沈むということになるのです。

そのため、アメリカ株を買うなら、ダウが15000ドル付近まで落ちるのを待つ、という方式が考えられますが、待ってる間に、意外とあっさり上昇ということも考えられます。