女性の社会進出の加速という事が言われていますが、元々、女性は男性より働いていました。
日本でもしかりで、女性が専業主婦に定着したのは、男性がいなくなった戦後から経済成長時期にかけてのみで、日本は古来から、江戸時代、明治時代も女性の方が働いていたのです。

しかし、女性向けのサービスは、男性に比べて遅れて登場するというのが世の常。
妊娠や生理、セックスといったパーソナルな悩みに対して、日常レベルで応える画期的なソリューションはほとんどありませんでした。

多くの女性が日常的に抱える問題でありながら、わざわざそこに踏み込まなくてもというのもあったかもしれません。
そして表沙汰にするのが避けられてきた社会背景もあり、ビジネスとして解決していくという視点はなかったのです。

日本でも10年ほど前、ルナルナのCMが流れ始めた頃、あれっ、不思議なCMという印象を持った人が多かったのではないでしょうか。

フェムテックの予想される市場規模は5兆円!

フェムテック(FemTech)…
英語で女性を意味する「Female」と「Technology」を組み合わせたもので、女性特有の悩みである、生理や妊娠、避妊やセクシャルウェルネスなど、女性の生活・健康をテクノロジーで支援するサービス分野のことを指します。

女性の生き方が多様化する今、女性の体の周期や健康に寄り添う新たなサービスの需要がどんどんと高まっており、その期待の一翼を担うのが、フェムテック。

社会的にも認知が加速しており、投資の動きが活発化。ここ数年で確実に海外のスタートアップはフェムテック分野が増えています。

米国の大手調査会社「CBインサイツ」によると、2013年から2018年にかけ、フェムテック関連事業の取引数は20倍になり、2018年にフェムテック関連の新興企業へ投資された金額は約5億ドル(約550億円)。今後も右肩上がりで成長し、2025年までに500億ドル規模(約5兆円)に達すると予測されています。

海外市場の拡大と人気の高まりを受け、そのムーブメントは、アジアから中国、そして日本にも広まり始めているようです。

将来設計を考える傾向が強くなっている男性は、サービスにお金を落とさなくなっていますよね。

いま狙うのは、フェムテックなのです。

アプリでなくても、ウェブサービス、商品サービスを今後考えたい。
という人は、事例を参考にし、新しいフィムテックを生み出しましょう。

とはいえ、フェムテックと一口に言っても、どんなサービスがあるの??
なかなか想像がつきません。
そこで、今回はフェムテックで実際にトレンドになっている事例をご紹介します。

不妊治療に関連するサービス

2016年に2億ドル(約220億円)の資金調達を行ったスタートアップ「Prelude Fertility」は、不妊治療クリニックのネットワークを作り、体外受精や卵子提供、遺伝子検査、卵凍結などの不妊治療に関するサービスを提供。

実際には、医療を行わず医師の監修のもと、不妊治療関連の情報を共有できるサービスなどもあります。

月経や排卵期などホルモン周期を管理するサービス

女性に必要不可欠なのが手軽な月経周期の管理。
月経周期は、妊娠のほか、様々な病気の影響も反映されやすいため、女性の健康を測る重要なバロメーターであり、スマホアプリなどで管理する人が増えてきています。
ほとんどの女性にとって必要である理由から、マーケットとしても非常に安定している分野です。

【事例①】

フィムテックの走り「生理日管理アプリ/クルー(Clue)」
ドイツで生まれ、フィムテックという言葉を作り出したと言われるサービス。
多くの女性のデータを蓄積して開発した生理サイクル予測アプリ。

次の生理日や排卵日、妊娠しやすい日、気分や体調が不安定になるPMS(月経前症候群)を予測。
ピンクなどガーリーなイメージの色使いを避け、スタイリッシュなレイアウトにもこだわっています。
現在、日本語も含め15ヵ国語に対応し、ユーザー数は世界で約500万人。

【事例②】

中国 月経周期を管理する「Meet You」。
同社は、2016年に、1億5100万ドル(約160億円)を調達しスタート。
また、アップルが提供するiPhoneの最新版であるiOS13でも、デフォルトで月経管理機能がつくなど、大手も注目しつつある分野。

【事例③】

ニューヨーク 下着型の生理用アイテム/シンクス(thinx)
ナプキンやタンポンなどの生理用品がいらない「履くだけ」の生理用ショーツ。
同社が特許を取得したマイクロファイバー素材の4層構造で、1日着用した後は洗うだけでOK。
生理中のわずらわしさを解消する画期的なアイテムとして、アメリカのマーケットで人気です。

妊娠、育児、性教育に関するサービス

人生のターニングポイントとなる、妊娠、育児をサポートするサービスは妊娠の経過記録や、子供の成長状態を教えてくれるアプリから、胎児の心音を確認する機器、さらに、ウェアラブルな搾乳機など、多岐に渡ります。

産前から産後にかけて、体型が大きく変化する人も少なくなく、特に影響の大きい骨盤を補助するための機器なども人気のある分野です。

【事例①】

イギリス「Elvieの膣トレポール」
出産を経験したり、年齢が上がってくるにつれて、女性は骨盤底筋が緩み、それによって尿もれが起こるようになります。
現状、骨盤底筋を鍛えるための体操や、膣トレボールと呼ばれる商品もありますが、どれくらい鍛えられているかが分かりにくい。

そこで、elvieから発売されているデバイスは、センサーが装備されているため、どれだけ締めつけたかなど筋肉の動きが分かるのです。アプリと連動していて、トレーニングメニューも。

【事例②】

アメリカ・ウィロー(Willow)の乳搾ブラ
仕事や家事をしながらでも母乳の搾乳ができるハンズフリーのウェアラブルデバイス。
袋をセットしたカップ型の本体をブラジャーの中に入れ、ボタンを押すだけで搾乳を開始。袋がいっぱいになると自動でストップするもの。
スマートフォンと接続すれば、専用のアプリが搾乳量や搾乳時刻、搾乳の所要時間を記録してくれます。

【事例③】

アメリカ・Mahmeeの相談プラットフォーム
妊娠した女性が産後まで医療・育児専門家からパーソナルなアドバイスを貰えるプラットフォーム。
出産・産後の健康問題と闘ってきたセリーナ・ウィリアムズが「Mahmee」へ投資をし話題に。
アメリカではパーソナライズな医療診断サービスがトレンドになっています。

【事例④】

エマ・ワトソンも絶賛したオンライン性教育
女性のセックス・ライフにスポットを当てたもの。
ヒットしたコンテンツは「女性の快感を導き出すテクニックを紹介するOMG YES」。
専門家による18〜95歳の女性へのリサーチし、例えば「指のなぞりかた」、「さみだれプレイ」、「オーガズムの波乗り方法」など、女性に人気のテクニックを実習できるインタラクティブ動画を配信しています。

フェミニストのエマ・ワトソンもチェックしたようで、「待望してたすごくクールなサイト。有料だけど見る価値あり!」と太鼓判。

女性特有の病気を防ぐためのサービス

乳がんや子宮頸がんなどをはじめ、深刻なものから軽度のものまで、婦人科系の病気に関するサービスにも期待が集まっています。

例えば、オンデマンドの遠隔医療を提供する「Maven Clinic」は、医療の他にも、女性の心身に関する専門家のネットワークを提供したり、企業や学校向けに、学生と従業員が気軽に女性特有の病気に関する相談をできるオプションを提供しています。

また、遺伝子検査なども人気で、特に、2013年に女優のアンジェリーナ・ジョリーが遺伝子検査から乳がんのリスクが高いとして、健康な乳房を切断し再建手術に臨んだ、と言うニュースがきっかけで世界的に認知度を高めました。

ビューティー・ダイエットに関するサービス

ダイエットやビューティーの分野でのサービスといえば、もう無いでしょう。
というくらい行き切っていますが、いまこの分野では、パーソナライズサービスにスポットが当たっています。

【事例①】

アメリカ 自宅でトレーニング出来る「Mirror」
Wi-fi介したストリーミングで自宅トレーニングを可能にする魔法の鏡「Mirror」。
専門トレーナーが指導するボクシングやヨガなどさまざまなワークアウト・メニューのほかにも、Apple Watchと同期して心拍数を計測する機能があり、リシア・キーズやグウィネス・パルトロー、ジェニファー・アニストンが使用しているということもあり、セレブでヒット。
料金は約1,500ドル高額ながら、リビングでのレッスンが人気の秘密。

【事例②】

ビヨンセが広めるAIおまかせ食生活
ビヨンセ専属の栄養トレーナーが提案する植物性ベース食のデリバリー「22 Days Nutritation」。
憧れのビヨンセのような食生活を送れるということから人気に。
AIや専門家によってユーザーごとにパーソナライズされたメニューや食料品が送られてくるところが画期的。

【事例③】

イギリス・労働現場に対応した情報を提供するサイト「Metal Health At Work」。
イギリスで「メンタル・ヘルス問題のパイオニア」と知られるキャサリン妃が宣伝隊長に。
フィジカルだけではなく、メンタル部分でも「フェムテック」の需要は高いのです。

日本でもトレンドになるフェムテック

日本にもジワジワと浸透しつつあるフェムテックですが、その特徴の一つといえるのが、 LINEの活用。

例えば、漢方のサブスクリプションサービスを提供する「わたし漢方」では、LINEで公式アカウントと友達になり、表示された質問に回答していくことで、一人一人の体質を薬剤師が診断し、その人に合った漢方薬のサブスクリプションプランを提案するというものです。

また、日本のフェムテック分野の若手の急先鋒として注目を集めるハヤカワ五味さんが代表を務める「illuminate」では、LINEで生理日の管理ができ、さらにその人のライフスタイルに合った生理用品の提案から購入までを行うことができます。

あとがき

日本でもじわじわきているフィムテックですが、世界から見るとまだニッチな市場で、さらに東南アジア、中東、アフリカでは、文化的・社会的な背景から、女性特有の悩みをタブー視する風潮があるのも事実です。

とはいえ、世界に女性は35億。
今後の女性の影響力や人口比、潜在的なニーズを考えると、ここを狙わない手はありません!!

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