1984年ロサンゼルスで誕生したフォーエバー21。
5月28日に連邦破産法の適用申請を検討していると、米ブルームバーグ通信が報じました。
現在、世界で800店舗以上を展開。日本では2009年、東京・原宿に1号店がオープン。
その時の勢い凄かったですよね??
覚えていますか?
そんなフォーエバー21が失敗した理由は?

原宿店はあまりの人気の為、入るのに入場制限が掛かったこともしばしばで、初年度の売上高は100億円もありました。
その原宿店が2017年こっそり閉店。
現在も国内で14店舗が営業中。
ネット通販の利用者が増え、店舗への客足が鈍くなるにも関わらず、積極的に出店していたのが仇となった形でした。
というのが、表向きの報道ですが・・・
いやちょっと待って。
原因は違うのでは??

と、その前に今からさかのぼる事3ヵ月前。
日中貿易交渉がまだ緩かった5月。
フォーエバー21は一足先に中国市場から完全撤退をしていました。
実店舗だけでなく、ECも完全閉鎖でした。
とはいえ、中国のアパレルの牙城はどこのメーカーも苦戦していたのが現状。
フォーエバー21だけが特別悪いという訳ではなかったのです。
むしろ韓国出身の経営者ゆえ、アジアでは地の利がありウケるのでは。と考えられてもいました。
イギリスのエイソス(ASOS)、トップショップ(TOPSHOP)、そして、アマゾンも撤退しているのです。
なぜか??
中国のアパレルECが激安すぎるから。
アリババが運営する「タオバオ(TAOBAO)」や同国第3位のEC企業であるピンデュオデュオ(PINDUODUO)などのサイトが幅広い商品を激安価格で販売しているため、ファストファッションには厳しい市場なのです。
いや激安のは、フォーエバーもそうではないでしょうか。
2着目無料なんてセールを散々やっていたのですから。
中国市場に限らず、安ければどんなブランドでも売れるというものではない。
ローカライズを怠った結果

世界各国にはそれぞれ好みがありますよね。
それに体形も民族によって違います。
その好みをそれぞれの地域でローカライズするのを怠ったのではないか?
フォーエバー21は完全にアメリカのファンキーな人達向け洋服で、日本人の好み、いやアジアの好みではなかった。
もちろん体形が違うのでサイズの違和感もあった。
対して、ユニクロはデザインや体形で勝負してなく、機能を追求した結果、飽きられることなく世界で勝負で来ているのではないでしょうか。
というユニクロも過去に、バングラディシュに出店した際、その地域の人が、民族衣装がほぼ私服という現状があり、全く売れないということがありました。
もう、全世界同じプロダクトでは通用しません。
いかにローカルライズするかが、重要なのではないでしょうか。

放送作家・演出家・地域戦略アドバイザー
1977年生まれ 熊本県天草市出身
株式会社ドーンマジック 代表取締役