日高屋お好きですか??
日高屋のあれが大好きで行くって人、どれくらいいますでしょうか。
あっ、それ私でした。
近所に王将やバーミヤン、街中華がないため、夜、たまに訪れる餃子とビールという気分になった時に、日高屋が好きで行くことがあります。
とはいえ、、日高屋って関東の人しか知らないですよね?
日高屋は群馬を除く関東でしか出店していません。
しかし、400店舗を超え、売り上げ規模400億円を超える大チェーン。
そんな日高屋の儲けの秘密とは?

400店舗を超える出店攻勢を続ける日高屋。
立地には特にこだわっており、関東の主要駅地域の一階!
しかも駅前!
「飲食店は立地8割」
とも言われていますが、日高屋はそこを徹底的攻め、直営店の95%が駅前立地なのです。
そして、駅前立地でも、あるお店の近くという立地にこだわっています。
そのこだわりとは…
トップ企業のアイデア

ファストフードチェーンのすぐ近く
マクドナルドや吉野家にはファンがいますが、毎日は食べません。
そのようなファンに
「昨日は牛丼だったから、今日はラーメンにしよう」
と選んでもらえるように、「競合のすぐ隣」に出店しているのです。
そして、マクドナルドや吉野家にない強みといえば、アルコール需要。
実にアルコール飲料が売上高に占める割合は約15%になり、これが日高屋の利益率の高さの一因なのです。
なんと、その利益率は、業界トップされる「サイゼリヤ」の約8%を上回り、2019年2月期は11.4%。
「10%以上の営業利益率」
を10年も継続しているのです。
日高屋の原点は「美味しくない方が良い」

日高屋の前身の来来軒(1973年)は美味しくなかったそうです。
1973年に大宮(現さいたま市)で自分で初めて賃貸物件を借り、「来来軒」というラーメン屋を開業したのが、独立1号店。
狭い店でしたが、深夜営業で出前をしていたため、深夜に行列ができるほどだったという。
創業者・神田正によると
「味は美味しくなかった」
そうで、ここから「味より儲け」の日高屋路線がスタート。
武器は繁華街の24時間営業

70年代にはこうした店が他に存在せず、面白いように儲かったという。
当時、ラーメン屋といえば郊外だったのですが、日高屋は逆に駅前の混雑した場所に出店。
駅前や繁華街には必ず深夜も働く人たちがいるため、彼らが常連客になり客が客を呼んだのです。
サービス業の人たちは
「あそこのラーメン屋は夜中に開いている」
という情報を無料で広めてくれます。
こうして来来軒から日高屋に名前を変え、必勝パターンの
「駅前、繁華街、深夜営業」
で店舗数を拡大。
逆に地方や田舎ではこうしたパターンが成立しないため、首都圏以外には出店していないのです。
モットーは、
「美味しいラーメンより儲かるラーメン」
できるだけ幅広い客層のお客が、毎日食べても飽きない味がベスト。
あまりコクがありすぎると毎日は食べられなくなってしまいます。
またトレンドのある味だと、毎日は食べられません。
そのため、ラーメンは奇をてらわない醤油、味噌が中心。
餃子も基本に忠実で、オーソドックスな製法。
そのことから、「ほどほどに食える」ラーメンや餃子を目指し、日々ほどほどを開発しているのです。
どうなる今後の日高屋??

日高屋がいま力を入れてターゲットにしているのは、ちょい飲み需要。
行きつけの居酒屋になると、途中下車する必要が出ますが、駅前にあるため、サクッと飲め。サクッとシメも出来ます。
とはいえ、もう駅前飽和状態じゃない??
と思うところですが、かつて駅前にあったパチンコ屋や銀行がこの先撤退する流れが加速すると、日高屋はまだまだ伸びそうです。
昼に南林間駅前で食事する必要があったときに足が向いたことがある。
夕方のビールかぁ、なるほど。
とはいえ、関東から出来る気もなさそうですから、これからも利益率重視で、小さく右肩上がりを継続するのでしょうか。
また最近多く見かけるお客さんとして、女性飲みがあります。
入店ハードルが下がったのでしょうか?
特に都心部では、コンビニより安く、サクッと一杯という需要が、一人ご飯の女性にも拡大中なのでした。
あとがき

日高屋でお会計時にもらうあれ。
玉子や大盛サービスチケット。
どれくらいの割合で使われているのでしょうか?
広告が入っているため、費用は掛かっていないと思いますが、もう少し効率よくできそうですよね。
日高屋と言えば上記の通り、アルコール需要が多いため、そこをもっと強化する手があると思います。
そのため、私が日高屋の社員だったら、ランチタイムこそ、アルコールのチケットを渡す仕掛けを提案したいなあ。
しかも、どうせ広告制作費が安く抑えられるなら、ビールジョッキの形をした美味しそうなビール券。
会社に戻ってデスクの上に置いておくと…
就業が近づくにつれ、少しずつ飲みたくなる気持ちが高まりすよね。
そんな時、美味しそうなビールがあったら…
昼から夜までの考える時間が長いため、ボディブローのように焦らされ、飲みたい衝動が強くなると思うのです。

放送作家・演出家・地域戦略アドバイザー
1977年生まれ 熊本県天草市出身
株式会社ドーンマジック 代表取締役