コロナ感染が拡大する前に語った言葉、「5年以内に世界経済は大不況に陥るだろう――」。
そう言い切った世界三大投資家のひとりであり、大の親日家でもあるジム・ロジャーズ。
おすすめの投資先はあるの??

結論からいうと、ない。
「良い投資先を見つけるにはどうしたらいいか??」
という質問は、定番のごとく繰り返されますが、株を単なるマネーゲームとして捉えていてはダメ。
自分が大好きなジャンルで、詳しく語れるモノが見つかるまでは、動かない方が良いと思います。
一番ダメなのは、著名なアナリストが勧めている株を買う事。
会社や業界のことをよく知らないまま投資を始めてはいけません。
なぜか。
業界の変化に気づかないから。
例えば、ファッションが好きな人がいます。
好きだからこそ、毎日チェックし、勉強も苦にならず、知識はどんどん積み重なっていきます。
日頃からアンテナを張っているため、誰よりもファッション業界の変化に気づくことができます。
例えば、ファッションはいまサスティナブルがトレンドで、この先、アップサイクル製品が売れる。という予測も立ちます。
そのような仮説を立てることができたら、投資家と同じ発想に思考をスライドします。
競合他社はどこ?
トレンドを生み出している会社なのか?
将来の成長率は??
といったことです。
そこで、確証が持てるようになったら、その会社の株を買いましょう。
自分の知識に基づいてたなら、多少下がっても余裕を持ってキープすることができます。
人と違うことをしなければ儲けられない

ジム・ロジャースの信条は「人と違うことをすること」。
そもそも「クレイジー」じゃないと、お金儲けなんてできません。
ビル・ゲイツがハーバード大を中退したとき、誰もが「クレイジーだ」と思ったが、素晴らしい成功を収めました。
ジム・ロジャースが、かつてアフリカ大陸をバイクで旅したとき、ボツワナで「この国は何かが違う」と感じることがあったという。
ボツワナといえば、貧困国とのイメージがありますが、道路もホテルも店もあり、闇市もなく、通貨の価値が安定している。
急いで証券取引所を探して、上場している全銘柄の株を買ったという。
ちなみに、ボツワナはダイヤモンドで大儲けをしたため、国の財政は安定しており、紛争もなく平和な国なのです。
またジム・ロジャースは、2013年に北朝鮮の北端にある港町を訪れました。
理由は、ロシアと中国がここに投資していると聞いたから。
そこで、実際に目で見て大きな可能性を感じ、「これからは北朝鮮が熱い」と言い始めましたのです。
今こそ外貨を持つべし

日本円の価値が暴落しないとは言い切れない不況下。
インフレを起こし、今の1万円の価値が半分になることも想定されています。
そのため株式に加え、海外に外貨を持つことも考えるべき。
この時の購入方法ですが、株と同様にその国のことを好きな事、理解してことが前提です。
海外に資産を持つということは、チャンスにつながり、資産を守る保険のような意味合いがあるためです。
あとがき

現在コロナ不況下の中にあって、世界的に低金利の状態が続いています。
そのため、いま購入しても、ここ2、3年は日本の金利と同じような状況です。
証券会社、銀行の手数料を考えると、ここで買い下がることは有効ではないと思われます。
また、株もバーゲンセール中ですが、さらなる下落と、長期にわたり上がらない状況が続くと思われます。
この辺りで買いかも??という投資家も多くいると思いますが、2、3年後にならないと、やっぱりどこが底なのか分かりません。
ただ、上記のように、自分が詳しく長期に渡り成長が見込まれるようなものは、今が買い時です。
ちなみに、世界恐慌が起こった1929年を、現在のダウに当てはめてみますと、約24000ドルから、2年後には2700ドルまで下落。
まだまだ下げ幅の余地はありそうですが、現在では、AIでの取引が主流で、サーキットブレーカーや、取引停止措置など、金融支援システムが機能しているため、下落幅は限られています。
また、世界恐慌、リーマンを2度と起こさせないという政府の対策が効いており、借金漬けの世界になりますが、株価の大幅下落は避けられるのかもしれません。

放送作家・演出家・地域戦略アドバイザー
1977年生まれ 熊本県天草市出身
株式会社ドーンマジック 代表取締役