新型コロナ感染拡大の初期段階、中国に続き、世界最大規模のアウトブレイクが起こっていた韓国でした。
ピーク時の2月29日では、1日で909人の感染者を特定、人口5000万人の韓国は国崩壊??
とまで噂されていました。
3月6日の段階では、約6300人の感染者と40人以上の死者。
感染が広がる中でも、若者はいつもと同じ行動をし、その結果、若者がクラスターとなったのです。
オリンピックファーストだった、日本と違い、その時、スピーディーに動いたのがハイテクの韓国政府。
数千人もの市民を強制的に自宅隔離させたものの、経済活動は瀕死の状態。
今、アプリを使って、感染拡大が阻止されているのです。
国民の行動制限をすることなく。
その結果、3月6日以降、新たな症例数は半減し、日が経つにつれて減少を続けたのです。
The New York Timesによると「素早い行動、広範な検査体制と接触者追跡、そして国民の重大な支援」という点を指摘しています。
目次
世界が注目する韓国アプリとは?

いま、世界でコロナ関連アプリのダウンロード数が急増していますが、韓国では、感染の追跡を支援するアプリが人気。
世界の都市がロックダウンを続ける中、政府の強硬な手段を使うことなく感染拡大を封じ込めに成功したのがこのアプリ!
ウイルスによる世界の死亡者数が日に日に増加膨らむ中、世界中の政府役人や専門家は、この韓国アプリを導入するところが増えています。
フランスのマクロン大統領、スウェーデンのステファン・ロベーン首相は、韓国の対策の詳細を聞くために文大統領に電話をしてきたと言います。
さらに世界保健機関の事務局長テドロスは、ウイルスの封じ込めは難しいものの、韓国の例を挙げ可能であると宣言し韓国を称賛。
テドロス氏は各国に「韓国、その他で得られた教訓を応用する」よう促しました。
感染者を追跡するアプリ「コロナ100m」

このアプリでは、新型コロナウイルスの患者の感染が確認された日付や国籍、性別、年齢、訪問先などを確認出来るもの。
また新型コロナウイルスに感染した患者が、近くにいるのか?
というのが一目瞭然。
コロナ100mは疾病管理本部から提供を受けたデータをもとに、感染者の移動ルート、隔離場所、感染者数や症状を訴えている人の数などが表示されます。
居住地区で新規感染者が発見されるたびに緊急警報のバイブレーションが発動。
ウェブサイトやアプリでは感染患者の1時間ごと、時には1分ごとの移動経路を表示。
どのバスに乗ったか、いつどこで乗り降りしたか、マスクを着用していたかどうかも。
そして、感染患者と経路が交わったと思う人は検査センターに届け出るよう促されるのです。
しかし!
感染対策として有効な反面、監視社会まっしぐらとなる可能性を秘めています。
データを匿名にしたところで、個人の特定は簡単に出来ます。
そんな中!
韓国人はプライバシーの損失を、必要なトレードオフとして広く受け入れました。
なぜか??
日本人と違い、感染対策において、政府を信用しているから!
SARS、MARSの教訓を生かした政府

日本では感染者を一人も出さなかったSARS、MERSですが、韓国はMERSで国内38人の死亡者を出した経験がありました。
そのアウトブレイク中に対策を講じており、精力的な接触者追跡のためのツールを開発。
そのため、コロナウイルスを国家非常事態として扱う体制があったのです。
そのツールがコロナマップにつながったのですが、でも、個人情報どうやって取ったのか??
政府が進めてきた電子マネー化の恩恵

韓国の人たちは、現金をほとんど使わず、クレジットカードや電子マネー、携帯電話のアプリの決済を使っています。
そのため、これらの使用履歴をたどると、個人情報が特定され、今回、コロナ感染者の移動したルートが判明するのです。
また韓国の地下鉄やバスの中ではWifiが無料で使えるため、その接続の記録をたどれば、いつどこで地下鉄やバスに乗ったのかも追跡可能。
監視社会への入り口という見方もできますが、緊急時には重要なツールになることは確かです。
また政府の真摯な姿勢が市民の賛同を得ることになったのです。
アウトブレイクの制圧には国民に対し完全な情報共有を続けること。
そして国民の協力をお願いすること。
連日、テレビで放送され、地下鉄の駅の告知、スマートフォンのアラートでお知らせが続きます。
マスク着用の促進や社会的距離戦略、その日の感染データについて無限に注意喚起をしてきます。
その結果、世論調査では大多数が政府の取り組みに賛同を示しており、人々は自信があり、パニックは少なく、買いだめもほとんど起こっていないのです。
政府の対応が素早い韓国
・ベッドの確保
感染を早期に特定し治療すること、また軽度の症例は特別センターに分離することで、韓国では病院が最重症患者を受け入れられる状態を作りあげました。
さらに、病院やクリニックのキャパオーバーを防ぐために検査センターを600か所開設。
可能な限り多くの人を素早く検査出来る設計をすると同時に、医療従事者の安全を確保するために、接触を最小限に狙いもありました。
・検査キットの量産
1日に10万の検査キットを生産。
1月下旬に同国初の感染症例の診断が下ってからわずか1週間後、政府は製薬会社数社に、コロナウイルス用検査キットの開発に指示。
1日当たりの検査率はアメリカの40倍の速さになったのです。
またキットの輸出について17カ国の政府と協議中だという。
・50カ所のドライブスルー検査も設置
患者には質問票が渡され、遠隔体温スキャンと喉の検体採取を行います。
さらに、オフィスビルやホテルではサーモグラフィーカメラを使用。
レストランおいても、来店客を受け入れる前に体温チェックを敢行しています。
このようなスピーディーな政策の結果、今や韓国ではロックダウンをすることなく、普通の生活が出来ているのです。
あとがき
新型コロナ中にトレンドになったものが、その後定着する法則があると、こちらの記事でも記載してきましたが、
私の周りでは、当たり前のようにテレワークが進み、今後、仕事という概念が大きく変わりそうです。
テレワークとはいえ、野放し状態で「お仕事頼みますよ」。
とはならないですよね。
隙あらばエロサイトに逃げ込む男性も多くなると思います。
そのため、パソコンの管理から、モニター管理。
果ては支給されるスマホのメール閲覧など、韓国がシャットダウンしたような、監視社会が今後加速すると予想されます。
常に注目されているタレントにうつ病患者が多いように、いつも見られていると感じると…
人の気持ちはどうなるでしょうか。
コロナでお金を減らすかもしれませんが、健康であれば、また稼げるチャンスはいくらでもやってきます。
コロナ自粛中に、うつ病を発病する人も多いようです。
くれぐれも、心の健康をケアし、次のチャンスをつかむべき準備をいま進めておきましょう!

放送作家・演出家・地域戦略アドバイザー
1977年生まれ 熊本県天草市出身
株式会社ドーンマジック 代表取締役