2011年、スペインサッカー・FCバルセロナ下部組織に日本人として初入団したのが、久保建英君。
原則として地元出身、例外を認めても13歳以上の少年しか入団できない最強軍団に、なぜ9歳の少年が入れたのか?
そこには、メンタルと体幹を鍛えた9年間の子育ての工夫がありました。
こちらの本は、久保建英くんがFCバルセロナに入るまでの子育てを、久保建英くんの父親が紹介した1冊です。
6歳のときに「バルサに入りたい」と言った久保建英

6歳の子どもが『バルサに入りたい』と言ったからといって、本気になる親がいるのかと、驚く方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、私たちは自然の流れとして『それなら、やってみよう』と考えました。
大切なのは息子の「サッカーが好き。楽しい」という気持ちであり、新しい練習に取り組むとき、チームを選ぶときも常に息子に確認し、その気持ちを最優先にしてきました。
親は息子の夢をかなえるサポート役でありたい

常に息子の気持ちを最優先し、長男だけど次男のように育てる。
次男とはどういうこと??

妻からは「長男だけど、次男のように育てたい」と言われたことがありました。
どういうことかというと、長男は周りを見て、すぐに行動できないところがあります。
やさしさもありますが、自分の気持ちをストレートに表現できないことも多いようです。
やはり、年上のお兄さんと一緒に遊んだり、ボールを蹴ったりしているうちに、色々と自分で工夫をするようになりますし、自分から行かないと順番も回ってこないので、積極性も出るのかなと考えました。
2歳の時から外に出て年上の人たちと交流していた

地元の広報誌でみつけた、自主保育のグループに2歳から通わせることにしました。
そこで他の団体と交流したり、お泊りイベントなどを通じて、知らない人たちや年上の子、大人たちに、自分の意思を伝えることなどを経験できるような環境を作っていきました。
親は手出し口出しはしません。
子供達が自分達で遊びを作ったり、問題を解決したりできるように見守るだけ。
建英はその頃から、友達には「君付け」「さん付け」はなしになったのです。
テレビは見せない、本を読む

外で遊ぶときは靴と靴下を脱ぎ、はだしで遊ばせる機会を多くしました。
足の裏は健康のバロメーターでもありますし、足裏の感覚を養うには、はだしが役に立ったと思っています。
ただし、ケガをする心配もありますし、靴と家の中が汚れるので、妻は大変だったと思います。
それでもいいという人にはやってみる価値はあると思います。
それと、なるべくベビーカーを使わず、歩かせることもしていました。
徹底的な外遊び

こだわったのが、徹底的な外遊びです。
朝から晩まで外で遊んだので、就学前の建英にとって、家はただ寝に帰るだけの場所、と言ってもいいくらいでした。
妻の考えでは、家の居心地が良いと外遊びをしたがらなくなるというので、いくつかの頂き物以外、家におもちゃは置きませんでした。
家の居心地を良くしないこと

家の居心地が良いと外遊びをしたがらなくなります。
リビングにはソファを置かないということも考えていました。
2歳でサッカーを始めた頃は、リビングには大小さまざまな大きさのボールをいくつも転がしておきました。
いつもボールを蹴って遊んでいたので、うちのリビングの引き戸は、開閉できないようになったままです。
楽しみながらプレーできるようにした

毎朝近所の公園でボールを蹴るようになりました。
1年のうち、350日以上はボールを蹴っていましたね。
この頃、一番気にしていたことは、一緒に楽しみながらプレーすることです。
ただ、楽しむというと遊びになってしまうので、少しずつ上手くなったり、できなかったことができるようになるように心がけていました。
見本を見せてあげる

例えサッカー経験のない大人でもできることです。
大人が見本を見せることで、子どもの取り組む態度は変わってくると思います。
それに、子どもがやっていること、やろうとしていることに理解を深めるためには、親もやってみるほうがいいと思います。
最後は息子が勝って終わらせる

2歳の子どもが、飽きることなくボールを蹴っているだけでもすごいことです。
それをほめるのは当たり前だと思っていました。
もちろん、ときには飽きることもあります。
そのときは「あと少しがんばろう」と声をかけますが、無理にやらせることはしませんでした。
そして最後に1対1の試合をして、息子が勝つようにして、「勝つと楽しい」と覚えるようにしました。
小2で完成されていた質問力と傾聴力

- 「昨日、なにがあった?」
- 「だれと遊んだ?」
- 「楽しかった?」
- 「つらいことあった?」
など、いろんな話をしました。
どんなことでもいいので、回答が返ってくると、さらに質問をしました。
これは、考えて話す習慣をつけてほしいと思っていたからです。
そのときは、親と子の上下関係というよりは、同じ目線で聞くようにしていました。
質問力がすごい

初めてキャンプに来た小学2年生のときから他の選手が誰も質問しなくても、久保選手は全てのタイミングで全部質問してしまうような感じでした。
毎回手を挙げるのでコーチたちも「もうあなたは手を挙げなくていいですよ」って言うぐらい。
久保選手のすごいところは、人を選んで聞きに行かないところです。
どんな人からの意見にも全て耳を傾けますし、どんな人にも質問します。
アドバイスをくれる人に対して彼が「お前から聞くことはない」という態度をとっているのを見たことがありません。
そういう発想を持っていないんですね。
誰が何を言おうと、ちゃんと聞く耳を持っているんです。
あとがき

2世といえば、スポーツ選手、タレントを思い浮かべますが、スポーツ選手に比べ、タレントの2世って、なんだか親を超えている人少なくない??
と思いませんか?
統計で調べた訳ではないのですが、肌感覚として。
その理由は何でしょう。
私の思うところ、教え方の違いなのでしょうか。
タレントで売れるには、運と人間的要素、そして時流が関係しますよね。
そして、ブレイクした理由もはっきりとは定義できる訳ではありません。
もちろん島田紳助さんのように、きっちり自分の計画通りに売れる人も、中にはいるかもしれませんが。
そのため、本書でもあります子供に「教える」ということが圧倒的に少ないのでしょうか。
いや、タレント本人が楽しんでお仕事しており、教えることを忘れる。
必要ないと感じているのでしょうか。
売れ方の方程式がない、「稼げるタレントへの成り方」というマニュアルを作ることが出来れば、、、
ベストセラーになるかもですね。

放送作家・演出家・地域戦略アドバイザー
1977年生まれ 熊本県天草市出身
株式会社ドーンマジック 代表取締役
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