2019年から、ANAがエアバスの大型機A380ハワイ便で運用を開始していますが、航空会社は今、大型機を使ってフライト数を減らすのではなく、より燃費の良い小型の機体でフライトを増やす傾向にあります。
そのため、この先大型機に乗る機会は減る事でしょう。

しかし、史上最大の旅客機は今も飛び続けており、同時に、大型貨物、民間の専用航空機、そして軍用輸送機、航空機の部品を運ぶための専用の航空機から、史上最も多くの乗客を乗せることができる2階建て旅客機まで、空港で見かけたらラッキー!!という巨大航空機を見てみましょう。

ストラトローンチ

世界最大の翼幅を持つ航空機Stratolaunch。
奇妙な外観の航空機が初飛行をしたのは2019年。
71年間にわたり破られてこなかった翼幅の記録を塗り替えました。

2019年、幅117mの翼を持つこの飛行機は2時間半のテスト飛行を成功。
スピードは最速で時速175マイル(約280キロメートル)、高度は15,000フィート(約4.57キロメートル)にまで達した。

アメリカの富豪ハワード・ヒューズが巨大な翼幅を持つ飛行艇
「ヒューズH4ハーキュリーズ」を開発して以来の記録。

ストラトローンチ

  • 空虚重量:22万6796キログラム
  • 全長:73メートル
  • 翼幅:117メートル
  • 初飛行:2019年(未確定)

ストラトローンチのプロジェクトはマイクロソフトの共同創業者、ポール・アレン氏が立ち上げたもの。

なぜ機体は2つの胴体があるの??
実は、民間による宇宙産業のニーズに応えるため。
将来的には宇宙開発に役立てられる予定で、機体の中央にロケットを搭載して飛行し、上空でそれを宇宙へと打ち上げるというプランに基づいて開発されたもの。

大の宇宙好きだったアレン氏の開発スタートは2011年。
今回のテスト飛行に至るまでに要した歳月は実に8年。
ですが、初飛行を見ることなく、2018年10月。アレン氏は65歳にして惜しくもその生涯を閉じました。

ヒューズH4ハーキュリーズ

ストラトローンチが持つ世界最長の翼幅の前に記録持っていたのは、ハワード・ヒューズが開発したヒューズH4ハーキュリーズ。
しかし、そのフライトは1947年に一度きりだったのです。

  • 空虚重量:11万3399キログラム
  • 全長:66.65メートル
  • 翼幅:97.54メートル
  • 初飛行:1947年

H4ハーキュリーズの最初にして最後のフライトはわずか26秒。
レオナルド・ディカプリオ主演の映画「アビエイター」でも描かれています。

木製の機体に8基のエンジンを搭載した巨大な飛行艇。
第2次世界大戦中、米国の長距離重量物輸送のニーズに対応して開発されました。

エアバスA380-800型機

  • 運航空虚重量: 約27万7000キログラム
  • 全長:72.72メートル
  • 翼幅:79.75メートル
  • 初飛行:2005年

ボーイングの有名な747ジャンボジェットに対抗して開発された史上最大の旅客機。
また、総2階建てのA380は世界の航空交通量の増大に対応するためであり、主要ハブ空港の混雑が増していく状況への答えでもありました。

座席のレイアウト次第では、最大850人の乗客を運ぶことが可能ですが、運航会社の大半は575人乗りと、比較的余裕を持たせた客室になっています。

2007年に就航をスタートしましたが、A380の客室は総2階建てのため、乗降用のボーディング・ブリッジも2階建てにする必要あり、しかも空港によっては誘導路を拡張する必要があり、多くの場合は誘導灯の位置を動かすことになった。

また、より小型で燃費の優れた機体を使っているところが、多くなることを受け、エアバスは2021年までにA380の生産を終了すると発表。
乗れるチャンスはあと数年かもしれません。

エアバス A300-600ST ベルーガ

エアバスA300-600ST(Super Transporter)
航空機の翼を運べるほどの大きな貨物室を備え、その外見から「シロイルカ」を意味する「ベルーガ」の愛称が付けられています。

初飛行は1994年9月、製造された全5機は今も現役。
次に紹介するベルーガXLより若干短くて狭く、XLよりも積載量は小さい。

エアバス A330-743L ベルーガXL

「ベルーガXL」は、航空機部品輸送を目的とした大型輸送機。
A330-743L、通称「ベルーガXL」はエアバスA330-200がベース。
特大の貨物を運ぶために大幅に改造されました。

  • 全長61.1m
  • 胴体直径8.8m
  • 最大離陸重量227t

現行「ベルーガST」と比べて6m長く、直径は1m広い。
同社の中型機A350 XWBの両翼をいちどに運ぶことが可能。
初飛行は2018年7月。

ボーイング747-8型機

世界最長の旅客機であるボーイング747-8型機

  • 運航空虚重量:22万128キログラム
  • 全長:76.3メートル
  • 翼幅:68.4メートル
  • 初飛行:2010年(B747ー8F型機)

ボーイング747型機は1970年代初頭に就航して以来、30年以上にわたり異論の余地なく「空の女王」の地位を占めてきました。
旅客収容能力という点では、3クラス構成の座席の場合は最大467人と、後発のエアバスA380に劣るもののシリーズ最新機である747-8型機は依然、世界最長の旅客機の座を守っています。

貨物便の就航は2011年、旅客便の就航は2012年。

ボーイング 747 ドリームリフター

747-400の機体を改造し、拡張したもの。
ボーイング787の部品をサプライヤーから同社の組立工場に輸送するために使われます。

アントノフAn225「ムリーヤ」

重量と全長、翼幅で世界最大の航空機であるアントノフAn225「ムリーヤ」

  • 空虚重量:28万5000キログラム
  • 全長:84メートル
  • 翼幅:88.4メートル
  • 初飛行:1988年

6発エンジンのアントノフAn225は、史上最も重い航空機であるのと同時に、現役の航空機として最大の翼幅も備えています。

An225で製造が完了したのはこの1機のみ。2機目は製造中にソ連が崩壊し、これ以来、未完成のままウクライナ・キエフの保管施設に格納されています。

アントノフAn124

  • 空虚重量:17万5000キログラム
  • 全長:68.96メートル
  • 翼幅:73.3メートル
  • 初飛行:1982年

An225よりも若干小さいものの、アントノフAn124は世界最大の軍用輸送機であり、ボーイング747-8F型機の登場まで、量産された機体としては史上最大。
ロシア空軍のほか複数の貨物機運航会社でも就航中。
米欧の宇宙プログラムを支援するため、特に重く巨大な貨物を輸送するのに使われています。

アントノフ An-22

初飛行は1965年。これまでに製造されたターボプロップ機の中で最大。
民間貨物機や軍用輸送機として使われ、わずかに数機が今も、主にロシア空軍で使用されています。

ロッキードC5ギャラクシー

ロッキードC5ギャラクシーは世界最大の軍用機のひとつ。

  • 空虚重量:17万2371キロ
  • 全長:75.31メートル
  • 翼幅:67.89メートル
  • 初飛行:1968年

アパッチ攻撃ヘリコプター6機もしくはM1戦車2台を積載した状態で、1万1000キロほどの距離を空輸できます。
米戦略空輸部門で数十年にわたり主力機の座を占め、米軍の海外展開を支えてきました。

ツポレフTu160

Tu160は旧ソ連向けに開発された最後の戦略爆撃機。

  • 空虚重量:11万キログラム
  • 全長:54.10メートル
  • 翼幅:55.70メートル(広げた状態)
  • 初飛行:1981年

ロシア空軍で就役中の戦略爆撃機Tu160。
戦闘航空機や超音速機、後退翼機など、幾つものくくりで世界最大の規模。
2017年後半、この機種のニューバージョン「Tu160M2」の初号機が公開され、現在は若返りを果たしています。

HAVエアランダー10

航空機と飛行船を融合させた飛行機

  • 総重量:2万キログラム
  • 全長:92メートル
  • 翼幅:43.5メートル
  • 初飛行:2012年

ハイブリッド型のヘリウム飛行船「エアランダー10」は、空飛ぶ機体として世界最大規模。
当初は米軍向けに設計されていましたが、この計画が中止になった後、製造を手がけいたイギリス、ハイブリッド・エア・ビークルズが開発を続行。
現在はまだ試験段階ですが、軍民両方の分野での役割が構想されています。

ミルMi26

量産にこぎ着けた最大のヘリコプターであるミルMi26

  • 空虚重量:2万8200キログラム
  • 全長:40メートル(ローター回転時)
  • 回転翼直径:32メートル
  • 初飛行:1977年

量産にこぎ着けたヘリコプターとしては史上最大で、今日に至るまで世界各地の空軍や貨物機運航会社で現役を続けています。
90人規模の軍要員や貨物20トンを輸送することが可能。
ロシア北極圏の永久凍土に眠っていたマンモスを空輸したり、アフガニスタンの山岳地帯から損壊したヘリを回収したりするなど、さまざまな任務に使われてきました。