対面の打ち合わせから「文章での説得」が重要な世の中になってきましたね。
企画書、メールでの打ち合わせ、SNS、ブログ、Webを作るにも、youtubeでのテロップ作業など、国民総作家、総コピーライティングの時代がやってきました。
とはいえ、いざ書こう!と思うものの、文章を書いているとき、なかなか進まないことありませんか?
自分の中の思考を文字に落とすと言う作業って、頭の中では分かっているつもりでも、文に落とすと、つまんないものになりがちです。
これは、何でもない話を、芸人さんが話すと、面白くなることにと同じことで、長年の経験があるからこその、発想力やボキャブラリーで、一般の人が今から、面白い文章を書こうなぞ考えることは、かなり無駄な時間で止めた方がいいでしょう。
「売れる言葉」をまとめた本は世に数万と出ていますが、それをそれをそのまま使っても、あなたにとっての売れる言葉にはなりません。
なんてことはなく、ある決まりに沿って、検索するだけでぐっとくる文章になるのです。
考えることは、たったの3つ
- ①なぜ(あるあるを見つける)
- ②怒りを見つける
- ③解決策を見つける
これだけ。
放送作家は構成作家

放送作家は別名構成作家と言われ、番組の構成を考えるのが、最もポピュラーなお仕事です。
最初に暗い話が良いのか、番組後半なののか?
これをオープニングで見せるの??
クイズの2問目と10問目を入れ替えよう、
など、番組の要素を洗い出し、最も人に興味を持たせる構成に仕上げるのです。
構成はこうせい!!
人の心をつかみ、人の心を動かすためには、構成が命なのです。
例えば、告白する時に、
「好きです。あなたの〇〇なこんなところが」
というのか、
「あなたの〇〇のこんなところが良くて、結果好きです」
というのか。
これは言われた人の好みによりますが、あなたならどっちをチョイスしますか?
私なら、両方ともチョイスしません。
「好きです」
だけ言い放って、あとはしばらく放置する方法を選びます。
こうすると、相手に考える時間を与えることにつながり、次第にあなたのことを気になってくるのです。
気になってきたらしめたもので、あとは、相手からのアプローチを待つだけ。
これが、構成の妙であり、これが、行間を作ることなのです。
行間を作る作業、つまり相手に考えさせる隙を与えるのが構成のお仕事なのです。
では、構成は具体的にどうすればいいのか。
スタバでクイズを作ってみよう!

例えば、いま私はスターバックスにてこの文章を書いています。
「スターバックスを元にクイズを作りたい」
というオーダーを受けたとします。
その時、どうやって考えるでしょう。
グーグルで、スタバ+クイズと検索します??
それともスタバ+歴史なんて検索します??
したとしても、ろくな情報は出てきません。
そこで考えるのが、構成で大事な作業になる、「あるある」です。
上記でたったの3つだけと言いましたが、まずは1つめのあるある。
- なぜ(あるあるを見つける)
- 怒りを見つける
- 解決策を見つける
えっ??
あるあるってあの芸人さんがよく話す日常会話のこと??
そうです。
すべての思考法はあるあるで大体の話が付きます。
あるあるをいかに発見できるかがポイントになってきます。
あるあるを簡単に表現すると、
「人が気づかなそうだけど、いざ気づいたら知ってる!」
と思えるもの。心理の奥深くに閉じ込められている感情の扉を開いてやるのです。
このあるあるを見つけてしまった最後、もうあなたのグッとくる文章のできあがり。
でも…
「あるある」の見つけ方なんて参考書は世の中にはありませんよね。
勉強のしようがない状態。
でも、このあるあるを簡単に見つける方法があるのです。
それが、「WHY」
なぜ??ですね。
「なぜ」をつみ重ねると、その中にピンとくるあるあるが潜んでいることが、多々あります。
スターバックスを見回して、なぜを考えると…
・スタバのカラーはなぜ緑?
・スタバのロゴはいつ変わったの??
・スタバの店員はなぜ、笑顔がステキなの?
・スタバの椅子って何でラグジュアリー?
・スタバでマックブックを開くのは人はなぜカッコ悪く見える??
・スタバってなぜ紙コップを使うの??
などなど。
このように無数の「なぜ」が出現しますが、その中から、チョイスするのは、自分の感情が一番揺れるもの。
つまり、喜怒哀楽でいうと「怒」が最も適しています。
ここで2つめの「怒りをみつける」の作業にはいります。
- なぜ(あるあるを見つける)
- 怒りを見つける
- 解決策を見つける
上の項目からチョイスしていくと、私が選んだ怒は、紙コップ。
正木明のSurvival (サバイバルラボ)
明日話したくなる「環境と防災の雑学Press」。 長年気象に携わってきた正木明が、環境や自然災害に関する様々な情報や有事の際に役に立つサバイバル豆知識などを皆さんにお届けしていきます。 脅威となって迫りくる自然環境。 万が一の時に、転ばぬ先の杖として、このSurvivial Laboが皆さんのお役に立てれば幸いです。
サバイバルラボというエコサイトを運営している身として、ゴミを増やすアイテムになる紙コップをなぜ使いづ付けるの?
マグカップじゃだめなの??
というなぜが出現するのです。
で、そこで、検索する訳です。
「スタバ+紙コップ+理由」=スタバという空間では静かに時を過ごして欲しいという概念があるため、ガチャガチャ音が出るマグカップは、その空間に適しておらず、紙コップの方がマッチするとのこと。
という訳ではクイズの成立。
【問題】
スタバでは、他のカフェと違い、店内でもなぜか紙コップで提供する場合が多くあります。それはなぜ??
一見、うまい所をついているクイズの成立か!
と思うところですが、先ほど提示した「怒」が解決されておらず、正解を提示したところで、えっ??紙コップっていまエコじゃないじゃん!
という視聴者の疑問を残すことになり、納得したクイズになり切っていません。
そこで、ここから一歩先に進み、③の「解決策を見つける」作業に向かいます。
少しググってみますと、アイデアが見つかりました。
「スタバ+紙コップ+解決+ゴミ問題」
この検索ワードって、最初からここにはたどり着きませんよね。
検索、つまりリサーチも思考を絞り込んでいかないと、よきものを掴むことができないことが分かると思います。
アイデアはこのようなものでした。
スタバの紙コップを減らしたアイデアコンペ。
優勝は「行動」をデザインするものだった
【問題】
スターバックスでは、店内で快適に過ごしてもらうため、音が出るマグカップではなく、紙コップで提供するスタイルを続けていました。
しかし、エコ意識の高まりから、スタバでも紙コップを減らす運動が展開されており、タンブラーを持参すると飲み物を割引するサービスをやっているのですが…
タンブラーを持ち歩くことは現実的ではなく、利用者はなかなか増えない。
そんな中、紙コップをアイデアコンペで優勝したのは、コーヒーカップ自体のアイデアではなく、人々の行動を促すものだったのです。
店頭の黒板に書かれたあるメッセージによって、マグカップを利用する人が増えたのですが、では、そのメッセージはどのようなことだったのでしょう??
【答え】
A shared problem. A shared reward.(問題を分かち合い、報酬も分かち合おう)
マイカップ利用者をチェックをしてゆき、その数が10人、20人となったら、その「キリ番」の人は飲み物が無料になるというもの。
【解説】
ここでの秀逸アイデアポイントは、このシステムに参加する動機が「自分が得するから」ではなく、「問題を解決するため」ということ。
資源を無駄にしたくないからマイカップを使うけど、無料のタイミングに当たったらラッキー」という発想があるのです。
現在、マスク警察が世にはびこっているように、良い悪いは別として、「社会に貢献しよう」というムーブメントがあります。
そんなムーブメントを刺激し、紙コップを減らす良きアイデアだったのです。
クイズ問題にしてご紹介しましたが、私がいまスタバのクイズを求められたら、このような思考回路からクイズを作ります。
もちろん、ここから文章の流れとか言い回しを変更しながらの作業はありますが、大まかにいえば、これで完成。
こちらはクイズの形式になっていますが、これを文章にすると、一つの記事として完成することができ、頭を使わずとも、検索するだけで、なるほど!と思わせる文章が書けるのでした。

放送作家・演出家・地域戦略アドバイザー
1977年生まれ 熊本県天草市出身
株式会社ドーンマジック 代表取締役