会議や打ち合わせなどで、意見を求められることがあります。
その時、「特にありません」と言ってしまうと、何のためにそこにいるのか?ということになります。
無能と思われても仕方ありませんね。
でも、
「特にありませんが…一つだけ気になっていることがあり…」
と続けるどうでしょう。
途端にこの発言の重みが増してきます。
このように、ちょっとしたテクニックで、あなたの意見の価値が上がり、バカに見られることはなくなります。
そこで、本日は最低限押さえておきたいテクニックをご紹介いたします。
目次
「私」 を主語にしないこと

自己啓発本の会議テクニックで頻繁に目にするのは「私」を主語にして発言しましょう。
ということです。
その主張によると、「私」を主語にして話せば、無用な反発を招きにくいから。
「~と思われます」「みんながそう言っているので」とこんな表現では、あいまい過ぎてダメで、『私』を主語にしたメッセージは、相手を速やかに落ち着かせ、プライドを傷つけないように自分の思いを伝える上で、役立つと言います。
が、果たしてそうでしょうか。
そもそもあなたの意見な訳であるため、しゃべった時点で私が主語になっているはずです。
ましては、「意見が貴重な存在」としてあなたが呼ばれているのなら、私はこう思いますで十分ですが、どちらかというと、意見を頑張って出さなければいけないという立場の人が多いのではないでしょうか。
そんな時、私を主語にしたところで、説得力は生まれません。
主語にするのは、あなたが尊敬する人物でOKなのです。
例えば…
孫正義さんも、〇〇の時に言ってたのですが…
イーロンマスクも言ってたのですが…
など。。
これは、実際に言った言わないは、誰も確認のしようがないため、どうでもいいことです。
重要なのは、言葉の重みを持たせることですから。
一つ先の展開を用意すること

期待通りのことをしただけでは、当たり前に見えてしまうものです。
当たり前に思えても納得してもらえると良いのですが、物足りなく感じられてしまうことが大半です。
例えば、CAの接客で、お客が「この飛行機、予定どおりの時刻に到着するの?」と聞いてこられた場合、「はい。定刻通り、何時何分に到着する予定です」とお答えすると、それは求められたことにただ答えたにすぎないわけです。
さらに「その後何かお急ぎの予定ですか?」とお尋ねすると、乗り継ぎの予定があるとか、空港に誰かが迎えに来てくれることになっているとか、その方の事情を話してもらえるのです。
それに対して納得したり安心してもらえると、接客側の価値があがり、お客は満足するのです。
これは会議でも同じことです。求められたことだけ発言して評価されません。
かといって期待を大きく上回ろうと力むと、かえって失敗してしまうことになります。
そのため、目指すところは一歩、いや半歩くらい。
思考のテニクニックとしては、現状を踏まえて、未来はどうなるか予想することを用意しておきましょう。未来のことなので、これも間違っていたってかまいません。誰も正解を知らないのですから。
そのような発言を繰り返すと、積み重ねにいつか周りも気づき、あなたの価値になっていきます。
後輩の発言を踏み台にしよう

これもビジネス本でよく見られるテクニックですが、「感想」 ではなく、「提案」 をするということ。
とはいえ、ここでも感想は多く出して行った方がお得です。
それは、どんな感想かというと…
議題に対する感想ではなく、会議の内容についてのものです。
つまり、バラエティ番組で言う、ひな壇芸人によるツッコミを入れる感じです。
イメージするのは、土田さんみたいなものでしょうか?
正義と悪をしっかり線引きし、ダメな意見に対しては、愛情を持って拾い上げ、それを踏み台にして、新しい自分の意見を乗せる作業です。
これによって、ポンコツだった後輩の意見が輝きだし、新しいアイデアに昇華する可能性が出てくるのです。
それにより、会議での味方が増えます。
増えたらしめたもので、あなたのどんな意見でも賛成が多くなりことでしょう。
発言は、対立のように見せかけて、最終的には同意のような形に持って行くのが、グループ内で賛同を得やすい可能性があります。
短く端的に意見を述べることはやめましょう

「。」 のない発言はわかりずらい
「、」でつながる文章は、主語が何のか分かりづらく、聞いている側の頭にはたくさんの「?」マークが浮かんでしまう。
ということもビジネス本でよく見るテクニックですが、短く歯切れがいい発言だと、バカに見られます。
端的に話す小泉首相の発言を聞いて、賢そうだなとは思いませんよね。
それよりも、早口で長々と話した方が、賢く見えます。
2ちゃんねる創始者のひろゆきさんのしゃべりが参考になると思います。
その時の心構えとして、失敗してもかまわないと思って発言すること。
話をして失敗したからダメという態度ではなく、それなら次はどうしたらもう少しよくなるかを考えることの方が大事。
失敗しないことには、会議発言も上手くならないのですから。
「そうですねえ…。どう言ったらいいのか…」と、「意見はあるけど言葉がまとまっていない」というような態度で切り抜けてもOKなのです。
困ったら、何か言ってみる
何かを発言し、どんな意見でも許される雰囲気をつくることは重要です。
解決にはならない意見でもとりあえず言ってみる勇気を持ちましょう。
最初からいい意見が出ることはまれ。最初に、くだらない意見がたくさん出るからこそ、それを参考にして誰かがいい意見を思いつくのです。
「ゼロベース思考で」というフレーズを使ってみる

例えば、ビジネス用語で「ゼロベース思考」というものがありますよね。
なんか理解しているようで、理解できないフレーズだと思います。
実際に、何をゼロにするのやら。これが、良いのです。
分かりそうで、みんなが理解していないビジネス言葉を頭にインプットしておきましょう。
これを枕言葉に使うだけでも、発言者の価値は高まります。
ちなみに、ゼロベース思考とは…
その時、既存の習慣や常識にとらわれることなく、それらの概念をまったく取り払ってゼロの状態から事象を捉える思考方法ですが、即座にそんな思考出来ない!!
というのが本音。
そこで、ゼロベースでは1つだけ覚えておきましょう。
それは、「過去を捨てること」です。
目標設定において大切なのは、トレンド思考ではなくゼロベース思考。
過去を捨てて、未来だけを見て目標を立てるのです。
トレンド思考とは自分の今までの経験や知識から答えを導きだすこと。
出来ない理由から頭を切り替えて、どうすれば出来るかを考える事です。
「これがあれば実現出来る」というように出来るための条件をリストアップすると、問題点でなく解決策が見えてきます。
重要なことは、既存の枠からはみ出ること。
そして、その発想を具体化し、駄目ならすぐすてることです。
まず、目の前の問題を分析する際に、これまでの週間や常識を疑ってください。
そして、問題解決に当たっての明確の目標を設定します。
あとは、ゼロの状態から解決方法を模索し、実行に移しましょう。
1年後にどのような形を目指すのか、5年後にどのようになっていると想像するのか、という時間軸を設けて考えると、すぐにとらなければならないアプローチなどを見つけることが出来ます。
あとがき

ゼロベース思考からさらに考えを発展させたい方は、「ゼロベース思考」と「トレンド思考」を組み合わせることまで行いましょう。
さまざまな経験や学習を重ねて知識や知恵を蓄積する一方で、それらにとらわれず、時にはすべてを無にして、ゼロベースでものごとを見ることができる心の融通性・柔軟性を確保します。
ゼロベース思考ではこれまでの考えを一旦捨てるけど、その中の「光るもの」まで捨てるわけではないはずです。
いいものは残す、そして新しい考えや手法などを取り入れて組みなおす。
個人においても、会社においても、ゼロベースだけではダメですが、この視点を持つことが大切です。

放送作家・演出家・地域戦略アドバイザー
1977年生まれ 熊本県天草市出身
株式会社ドーンマジック 代表取締役