1960年代頃から、小売店の外装や内装について、さまざまな調査研究が行われています。
こちらのサイトでもご紹介しました、富士そばの内装がCMでトレンドの色を参考にしている。
スープストックTOKYOがスープが引き立つ内装にしているなど。

コンビニ、スーパー、百貨店、ドラッグストアなど、買い物をする場所はたくさんありますが、買い物をするためには、お店の中に入らなければなりません。
店内に入りたいと思わせるのは、どんな外装なのでしょうか?

まず、店内に入りたいという気持ちを起こさせるのは、外装が暖色系の店。
例えばセブン-イレブンの店舗の多くは、外壁がレンガブロックになっていますよね?
レンガは、暖色系の中でも落ち着いた色で、ナチュラルでクラシックな雰囲気を醸し出します。
目立ちすぎず、かといって、周囲の景観に埋没せず、適度に浮き上がって見えます。
また電飾の看板を見ますと…鮮やかなオレンジや赤の色は誘目性が高く、遠くからでも目立ちます。
セブン-イレブンの店舗の外装には、無意識のうちに店内に入りたくなる色が取り入れられているのです。

ちなみに、ロゴなどに使われる
「白、オレンジ、白、緑、白、赤、白の7本のストライプ」
は、2017年3月1日、日本で初となる「色彩のみからなる商標」として認められました。

という訳で本日は外装のお話です。

まずは大阪王将ですが、、一時、「餃子の王将」のバッタモンなんて言われていた時期もありましたが、大阪王将が業績を伸ばしていて話題になっています。

その前に、大阪王将と、餃子の王将の違いをご存知ですか?
このふたつの系列店は、まったくの別会社が運営しています。

餃子の王将は、1967年に創業した「王将フードサービス」。
一方、大阪王将は、1969年に創業した「イートアンド」という会社が運営。
マネーの虎に社長が出演してご存知の方も多いと思います。

その大阪王将が、店舗の看板を以前の赤・黒を基調にした色から黄色いに変更しています。
そして、その変更、改装費用以上の効果が出ているのです。
例えば、2018年11月下旬に黄色い看板に変えた東京・西五反田店では、翌月の売上・客数が前月比で130%を記録したと言います。

しかし、なぜ赤から黄色にして成功したのでしょう?
一つには、黄色が目立つ、食欲を増すからというものがあります。
とはいえ、赤も目立ち、食欲は刺激されますよね。

黄色で結果が出たのは、現代の中華料理屋さんがある問題があったからでした。

その問題は何かというと…

トップ企業の頭脳に挑戦

街の中華屋さんが減少していること

現在、高度成長時代には、街に中華料理が乱立しました。
そう街中華です。
その看板と言えば、黄色が定番色でしたよね。

その後、高齢化や食の多様化もあり、街の中華は段々と数を減少していきました。
そう、黄色の看板が街から減っていったのです。
しかし、人は中華を求めています。

そこへきて、ザ中華の黄色王将が黄色の看板にして、街中華を「あの良かったころの中華」のイメージを復活させたという流れになったのです。
これは黄色の看板が街から姿を消したタイミングで、黄色を復活させたという時期が重なった勝利でした。

また街の中華料理屋さんの方がお店に入りやすいですよね。
王将は、大衆店のため、おしゃれなブラック・赤よりも黄色がマッチするのです。

黄・赤・オレンジは食欲を増すカラー

食欲を増進させたいときに効果的な色は、赤やオレンジ、黄色などの暖色系。
暖色系の色は脳の空腹中枢を刺激して食欲を増進させる効果があります。
色が鮮やかであればあるほど、料理は美しく、おいしく見えると言われています。

吉野家はなぜブラックにしたの??

増加する黒い吉野家をご存知ですか?
特に都心部では増加を加速しています。
特色は外観がシアトル系カフェっぽくなっており、店内は広々。

また珈琲、ケーキのカフェメニュー。
バーベキュー、からあげなど従来店舗にはないメニューを揃え、長時間滞在するようになっているのです。

一般に飲食店の「勝利の方程式」は短時間で食べ終わって出て行ってもらい、回転率を上げるのが正しいとされています。
しかし、黒い吉野家は客に長く滞在してもらい、回転率は下がるが高価格なメニューをたくさん注文して貰おうという店舗です。

なぜか??

取りこぼしている客を掴むため。

吉野家は苦手を克服した??

吉野家が特に苦手とするのは女性と家族連れ。
子供を連れた母親が牛丼を食べているのは滅多に見かけません。

子供がいるとカウンターには座れず広い空間が必要で、メニューも子供向けの商品が必要です。
女性には「おしゃれな外観」や居心地の良い内装も必要で、客層がおじさんばかりだったら入店は難しくなります。
女性やファミリーが入店するには、小手先のテクニックではなく、総合的な変化が必要なのです。

黒い吉野家は新しいマックのように小さいテーブルがあり、スマホ充電できるコンセントやドリンクバーがあります。
通路は広めで観葉植物が置いてあり、カフェとケーキだけを注文することもできます。
食事メニューにもから揚げ定食やカツ丼があり、ほぼファミレス化したのです。

とはいえ、実はこの「黒い吉野家」。
男性のみなさん行ってみたいと思いますか?
男性は従来で事足りますよね。

そう、黒い吉野家は失敗だったのです。
特に売り上げも伸びることなく、また改革を迫られているのですが、その窮地の吉野家を救ったのが、従来の吉野家だったのです。

ストロングポイントをさらに強化した吉野家

吉野家に行かれる方は当たり前のことだと思いますが、従来から肉ファンをもっと喜ばすために、吉野家はメニューの多角化を薦めました。
多角化と言っても、肉の種類を増やすわけではなく、選択のバリエーションを増やしたのです。
例えば頭の大盛やすき焼き風、焼肉風と言った、常連だけの注文方法を次々に採用して行ったのです。
その結果、客単価が上がり収益が改善したのでした。

今日のまとめとしまして…

  • 街から姿を消したもの。愛着があったのに無くなったものにスポットを当てると、新規ビジネスになる可能性がある
  • 従来のサービスから幅を広げるのではなく、イメージは深く掘っていく作業で、新しい発見がある

あとがき

牛丼の御三家をご存知だと思いますが、最近では、牛丼とは他の業態で収益を上げています。

吉野家は牛丼より、はなまるうどんの方が好調です。
松屋は低価格かつ丼チェーンの松の家が好調で展開しており、松屋の穴を埋めています。
そして、すき家のゼンショーは回転ずしのはま寿司が絶好調。

牛丼ビッグ3は今や牛丼屋ですらなくなっており、さらに多角化で高収益を目指すでしょう。
規模が大きい方が仕入れなどで有利になることもあり、ここでも小規模な外食チェーンの存続が難しいのが分かります。

そのため、この先、外食産業への参入を考えている方は、小手先のアイデアでは中々太刀打ちできない時代が来るかもしれません。

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