「patagonia」に「THE NORTH FACE」といえば、流行に左右されず長く愛されているブランドですよね。
今では世界中の誰もが知っているアウトドア・ブランドの最高峰。

本日のそのパタゴニアのお話です。

パタゴニア1957年に創立したアメリカのアウトドアのウェアブランド。
ブランドロゴは、アルゼンチン・パタゴニア地方のフィッツロイ山系。
クライマーとサーファーが集まってスタートしたビジネスと彼らが推進したミニマリストのスタイルが反映され、シンプルさと実用性に徹したデザインを追求した独特のスタイルを確立しています

パタゴニアは、コットン製品に全面的にオーガニックコットンを使用したり、リサイクルポリエステルを素材に用いた製品群を展開したり、アンダーウエアの回収・リサイクルを始めたり、発送する製品の梱包がやたら簡易包装だったり、そして、売上高の1%を地球環境保全のために寄付するなど、環境経営に力を入れています。

パタゴニアの本社はカリフォルニア州、日本法人は鎌倉市と、どちらも海沿いにあり、海沿いにあるメリットを仕事に導入しています。
その一つに、「責任感」や「効率性」、「協調性」を生み出すために、会社であるキャッチフレーズを提唱しています、

それは…

トップ企業のアイデア

「社員をサーフィンに行かせよう」

社員をサーフィンに行かせようが生まれた背景


パタゴニア創業者 イヴォン・シュイナード 曰く

「創業メンバーのトム・フロストが共同経営者だったころ、彼がヒマラヤに3カ月くらい登山に行き、その間は私が経営を見ていました。逆に私が南米に半年山登りに行くと、彼が会社を見てくれました。
そのころから、このフレーズは社内の「非公式な」ルールになったのです」

本当に、社員はいつでもサーフィンに行っていいの??

もちろん。だからパタゴニアの本社(カリフォルニア州ベンチュラ市)も、日本法人(鎌倉市)も、太平洋岸にあるという。
サーフィンに行くのは平日の午前11時だろうが、午後2時だろうが構いません。

私はあらゆるスポーツの中でサーフィンが好きなのでこの言葉を使いましたが、登山、釣り、自転車など、他のどんなスポーツでも構いません。

なぜこのフレーズを社内のキャッピコピーのしたのかというと・・・

このフレーズが社員の能力を上げる5つの理由がありました。

第1は「責任感」

今日サーフィンに行っても良いか、いつまでに仕事を終えなければならないか、いちいち上司にお伺いを立てるようではいけません。
もしサーフィンに行くことで仕事が遅れたら、夜や週末に仕事をして、遅れを取り戻せば良いのです。
そんな判断を社員一人一人が自分で出来るような組織を望んでいます。

第2は「効率性」

自分が好きなことを思いっきりやれば、仕事もはかどります。
午後に良い波が来ると分かれば、サーフィンに出掛けることを考えます。
その前の数時間の仕事はとても効率的になります。
例えばあなたが旅行を計画したとすると、出発の前の数日間は仕事をテキパキやるでしょう。
旅行中に同僚に迷惑を掛けたくないこともあるでしょう。
あるいは旅行を前に気分が高揚して仕事が進むのかも知れません。
その気分を日常的に味わえるのがパタゴニアなのです。

第3は社員に融通をきかせるてあげること

サーフィンをやろうとしても、いつ良い波が来るか分かりません。
そのため第3の理由として「融通をきかせること」があるのです。

サーフィンでは「来週の土曜日の午後4時から」などと前もって予定を組むことはできません。
もしあなたが真剣なサーファーやスキーヤーだったら、いつでも良い波が来たら、あるいは良い雪になったらすぐに出掛けられるように、常日頃から生活や仕事のスタイルをフレキシブルにしておかなければなりません。

第4は「協調性」

パタゴニアには、「僕がこれからサーフィンに行っている間に取引先から電話があると思うので、受けておいてほしい」と誰かが頼むと、「ああ、いいよ。楽しんでおいで」と言える雰囲気があります。

そのためには、誰がどういう仕事をやっているか、
周囲の人が常に理解していなければなりません。

一人の社員が仕事を抱え込むのではなく、周囲がお互いの仕事を知っていれば、誰かが病気になったとしても、あるいは子供が生まれて3カ月休んだとしても、お互いが助け合える。
社員同士が信頼しあってこそ、機能する仕組みです。

第5は「真剣なアスリート」の雇用

優秀なアスリート多く会社に雇い入れ、彼らを引き止めることです。
もし優秀なスキーヤーが入社すれば、ひと月はスキーに行きたいと言うでしょう。
それを止めると、毎日スキーができるスキーメーカーに転職してしまうかも知れません。

なぜ、真剣なアスリートを多く雇いたいのか。
それは、パタゴニアはアウトドア製品を開発し、製造し、販売しているからです。
自然やアウトドアスポーツについて誰よりも深い経験と知識を持っていなければなりません。
そのためには、より多くのプロフェッショナルを雇わなければならないのです。

あとがき

パタゴニアの日本法人でも「サーフィンに行こう」と奨励していますが、日本人の勤勉性ゆえか、勤務時間中にスポーツに出掛けることに「罪悪感」を持つ人がまだ多いみたいです。
休むことに罪悪感を持たないような環境作りを進もうと思ってもなかなか出来ないですよね。
もう休みのプロである外国方式で常識にした方がいいかもですね。

  • 就業時間以外連絡しない出来ない。
  • 休みの日にメールしない返さない。

など。

私がいる放送作家の業界はいつそうなるんでしょうか。
金曜、土曜の夜に電話かかってきたり、「夜中2時にメールきて、朝8時までに宿題下さい」なんてまだ平気な社会なのでした。