食欲を増進させる意味合いから飲食店店内も多く使われる赤。
闘牛の赤旗は、色が判別できない牛のためではなく、観客が盛り上がるようにと「赤」になっいたり、オリンピックでは赤を着用した選手の勝率が高いという結果もあり、攻撃性を誘発する色として知られています。
つまり欲求を刺激するのですが、では、Web販売でも赤は購入意欲を刺激することにつながるのでしょうか?
答えは…はい。
しかし…使用する際に注意が必要
【アメリカ・ヴァージニア大学のラジェシュ・バグチ氏らの実験】
商品の背景やバナーを色んな色のパターンで出品。
赤は人の「積極性」を高め、攻撃的になる。ということは…
【実験その①】
ネットオークションサイト「eBay」で出品されていた任天堂「wii」の落札金額を分析。
※いずれも出品者と商品内容は全オークションを通じて同じで、
唯一の違いは画面の背景の色。
その結果、赤色の背景を見せられた入札者のほうが、入札価格の上昇幅が大きく、よりアグレッシヴな傾向を示したという。
【ポイント】
他人と競い合うオークションでは、ほかの入札者と競いあうため入札価格がつりあがる傾向にあるため、オークションでは赤は有効。
【実験その②】
インターネットで募集した参加者に「フロリダ州サウスビーチへの休暇旅行パッケージを探している」という設定の実験に参加。
参加者は、「4日間790ドルのパッケージ」という商品サイトを見つけるが、この商品は買い手が希望価格を提示することもでき、その提示額を受け入れるか拒否するかは売り手次第。
その結果、赤色の背景を見せられた被験者のほうが低い提示額を示した。
なぜか??
競い合うのは、他の購入者ではなく、販売者だから。
そのため「赤の持つ積極性」が、安く買いたいという意欲を増加させました。
ポイント➡購入者との販売者が対立する関係にある場合、
赤によるその攻撃性が「値引き」の方向に働くため、赤は使わない方がいい。
【実験③】
eBayでWiiを購入することを想定しての質問。
白い画面上にまったく同じ商品が掲載され、ページ上部に赤、青、グレー、白のいずれかのバナーを表示。赤色のバナーを見せられた被験者は、高い入札額を提示する傾向を示した。
ポイント➡やっぱり赤は欲求を刺激するため、決定させる場面では、ちらりと赤を織り込むのがいいのでは。
例:ABテストを実施したとき、もちろん右の「赤色」のボタンを設置したサイトの方がクリックスルー率は21%高かった。
最後に…
赤は使い過ぎないように。
現実社会において赤信号の「止まれ」や各種警告文、またウェブの世界ではエラーメッセージ などの配色設定などにも引き継がれています。
赤に対するユーザのマインドセットが形成されている現状、Webメインカラーに赤を設定すると、インターフェイス上に配色された赤の分量が多くなる、という事態を招きます。
その結果、アラートやエラー、重要なお知らせなどは埋もれがちになり、操作性や情報の視認性に影響を及ぼしかねません。

放送作家・演出家・地域戦略アドバイザー
1977年生まれ 熊本県天草市出身
株式会社ドーンマジック 代表取締役