ヨーロッパを迫害され逃げ込んだアメリカでも、ユダヤ人は嫌われものになったのです。
なぜ、ユダヤ人はアメリカでも妬まれ嫌われるのでしょう。

それは宗教との深い関係があり、アメリカは真のキリスト教の集まりだから。
そのためこの地に移住しても、やっぱりユダヤ移民は既成産業につくことが許さなかったのです。

欧州から米国に移民としてやってきたユダヤ人のほとんどが50ドル以下の財産しか持っていませんでした。
ほとんどの人が無一文からスタートしたというわけです。

祖国を失い行き場所のないユダヤ人は、アメリカで生き抜くために、そこで再度智恵を絞るのです。
アメリカ人が手を出さなかった、金貸し業、既製服、映画、ラジオ新聞産業に焦点を絞ることに。

しかし、その職業は今でこそアメリカの花形産業になっていますが、当時はまだ将来の保証がなく、金儲けの主流ではあったものの、マフィアが牛耳るゲスな商売とになっていました。

マフィアから映画産業を奪ったユダヤ人

フランスからニューヨークに渡った映画産業。
元々、ニューヨークではマフィアがこの産業を握っており、フィルムの独占販売においては、あのエジソンが莫大な利益を上げていたのです。
そこに、待ったをかけたのがユダヤ人。

マフィアが牛耳る国内における映画の製作・配給・上映の独占に反発する声を利用したのです。
1913年。映画配給会社の経営者だったウィリアム・フォックスが「独占禁止法違反である」と提訴。

そのためエジソンが関わる映画会社へ映画向けのフィルムを供給していたイーストマン・コダック社が独占契約を改訂。
映画製作を東海岸から、ハリウッドの西海岸に移し、ハリウッドの映画産業を急成長させ、マフィアやエジソンの独占時代は終焉を迎えたのである。

その後、ウィリアム・フォックスは、現在の20世紀フォックスとなり、1916年にパラマウント映画社。
1923年にはワーナー・ブラザース社、1924年にはコロンビア映画社、MGMスタジオなど、現在もメジャー作品を手掛けている映画会社が続々と誕生。

そう、お分かりの通り、実はこれらの映画会社の創設者は全員がユダヤ人。
中でも、1919年にはユナイテッド・アーティスツ社も設立されているが、その創立者の一人はあの喜劇王チャールズ・チャップリン。

スティーブン・スピルバーグやウディ・アレンといった著名な監督も、ユダヤ系移民の血を引くというバックグラウンドを持っています。

反ユダヤ主義は過去のものとなっただろうか。

その後のユダヤ人の活躍は目をみはり、地球上の0.02%がノーベル賞の40%を占めるまでに。
各分野で優秀な人材を排出しているユダヤ人。
全米に居住するユダヤ人の平均所得は米国平均の約2倍。
弁護士や医者、大学教授の多くがユダヤ人という事実。

なぜ、これだけ各分野で優秀な人材を輩出し、継続して稼ぐことが出来ているのでしょう。

それは、ユダヤ人の過去の歴史や文化に根付いた特有の思考方法あります。
平たく言えば「抜群に思考能力の発達した民族」。

その思考方法とは・・・、

プラットフォーマーに徹したから。

昔のサービス業といえば、新聞や映画産業ですが、現在世界の有力な企業はITであり、儲かっているのはプラットフォーマー。

例えばサムスン電子(韓国)は製造業であり、日本もソニー、キーエンス、日本電産などメーカーの時価総額が大きいが、日本のITサービス企業が世界で活躍しているケースはほとんど見られません。

つまり、世界的なプラットフォーマー、あるいはビッグデータを制する企業のほとんどはユダヤ系企業なのです。

ブルーオーシャンをいち早くキャッチする能力

シリコンバレーのスタートアップ黎明期、まだベンチャーキャピタルが一般的ではなかった頃に、ニューヨーク出身のユダヤ人であるアーサー・ロック氏は、半導体メーカーFairchild Semiconductorの設立支援などを経て、1961年に最初期のVCであるDavis & Rockをサンフランシスコで設立。
IntelやAppleの初期投資家となった。

1970年代以降、Oracle、Dell、SanDiskなどのWeb 1.0時代を牽引する世界的IT企業をユダヤ人が起ち上げ、1990年代末から2000年代Webの中心的な役割を果たすGoogle、Facebook、PayPal、Salesforceのような企業がそれに続く形で誕生。

2018年、ユダヤ系企業の時価総額ランキング

  1. マイクロソフト 創業者ビル・ゲイツがユダヤ系  
  2. アップル 創業者スティーブ・ジョブズがユダヤ系  
  3. アルファベット ラリー・ペイジCEO、セルゲイ・ブリン社長がユダヤ系
  4. フェイスブック 創業者兼CEOマーク・ザッカーバーグがユダヤ系
  5. インテル 創業者アンドリュー・グローブがユダ系
  6. シスコシステムズ 創業者サンディ・ラーナーがユダヤ系
  7. ウォルト・ディズニー 会長兼CEOのロバート・アイガーがユダヤ系
  8. オラクル 創業者ラリー・エリソンがユダヤ系
  9. コムキャスト 創業者ラルフ・ロバーツ、現CEOブライアン・ロバーツがユダヤ系
  10. ネットフリックス 創業者マーク・ランドルフがユダヤ系

これらに共通するのは、プラットフォーマーを生かしたサブスクモデル。

サービスを提供する会員顧客に課金し、定期的な収益を上げる方式。
定期的に顧客に課金するため、景気の変動の影響が少なく、安定成長することができるのです。

また稼ぎ続ける理由として、ユダヤ人創業企業間で人材が動いている点もあります。

例えば、20億9000万ドルの企業価値評価のFinTechユニコーンAffirmは、PayPalマフィアのCTOマックス・レヴチン氏が創業。
Salesforce創業者のマーク・ベニオフ氏はOracleで13年間マーケティング・営業に従事した後独立。

また、FacebookのCOOシェリル・サンドバーグ氏は、Googleでセールス部門を大きく成長させた実績を持ち、2007年にマーク・ザッカーバーグ氏と出会って引き抜かれた経緯がある。

直近の例では、Facebookのブロックチェーン技術を用いた、クリプトカレンシー「Libra」のウォレット開発を行うCalibra COOのトメール・バレル氏は、PayPal IsraelのGMや本社のExecutive VPを務めたイスラエル人であるのは知る人ぞ知るところ。

このように、シリコンバレーにおけるユダヤ人の密なネットワークは、2010年代以降も脈々と引き継がれ、次世代のユニコーン創出に貢献しています。

ユダヤ人の3つの成功哲学

なぜ時代が変わってもビジネスで成功し続けられるのか

教育方針

ユダヤ人は教育において子供の個性をひときわ重視します。
ウクライナ系ユダヤ人の映画監督スティーブン・スピルバーグ(写真)は2012年に難読症という学習障害を抱えていたことを明かしましたが、彼の両親は8mmビデオカメラに大きな興味を示した我が子の個性を伸ばそうと、根気よく付き合ったそうです。
そして家中が撮影機材や彼が手作りした美術セットで埋め尽くされても、それを止めることはなかったといいます。

時間の使い方

ユダヤ人にとって時間はときにお金よりも貴重であり、時間の使い方にこだわりを持っています。

Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは、いつも同じTシャツを着ている理由を問われた際、
「くだらないことに時間を使うと仕事をしていない気分になる」
「私が時間を使うべきなのは、最高のサービスを提供して人々をつなぐこと」
と答えています。

また、ユダヤ人は忙しい中で工面した時間を積極的に自己投資に使います。
経験上、それが最大のリターンを生むと知っているからです。