飲食業界で急激に成長している会社が五反田にあります。

アサヒコーポレーション。

外食産業が逆風の中、ある特定の場所に絞り食堂を展開。
その場所とは今まであまり飲食店が入り込んでなかった場所なのですが、今や全国15店舗のチェーン店となっています。

ニーズがある所を見つけ、そこめがけて出店しているのですが…
では一体そこはどういうところかというと…

トップ企業のアイデア

建設現場

いま首都圏ではビルの建設ラッシュが続いています。
2017年に大規模ビルが20棟、2018年には23棟、そして2019年には25棟、さらに2020年には24棟が完成する予定になっています。

こうしたビルの建設ラッシュになると、困ったことがありますね?
そう食事問題。

アサヒコーポレーションは工事現場の中に食堂を作って運営するというもの。
工事現場で働く人の一番の困りごと。それが「ごはん」
わざわざお弁当を持参するか、時間がないのに外に食べに行くかって結構切実な問題に目を付けたのです。

人気の秘密とは??

現在、都内の10カ所以上の建築現場で食堂を運営しています。
そして通常、建設現場では作り置きのお弁当を出されることが多いといいます。

しかし、例えばここではアツアツの天ぷらそばが370円。
ご飯300gとボリュームたっぷりのカレーライスは400円。
都心ではランチで1,000円を超えることもざらですが、ここならほとんどのメニューを500円以内で食べられます。
安さだけではなく、味も人気の秘密なのです。

常に作り立てを提供し、職人たちの休憩時間に合わせてできたてを用意します。
料理は元有名割烹店の料理長による味付けで、現場で仕込みもするのです。

デメリットはないの??

一番の問題はやはり引越し作業。
建設現場が終われば撤収しなければいけなく、この作業が大変になってきます。
また大規模ビルになりますと、ビルの建設が進むごとに、食堂も上の階に上がっていくのです。

例えば、引越しは土曜日の営業を終えた後から作業を始め、月曜日の朝までにオープンの準備をするというもの。

さらに、ニーズを取り囲むと言うことは、飽きられたらピンチ。
出店すれば工事期間中は独占的に飲食提供・物販が出来ますが、相手は味にうるさい職人。
「一度まずいという評判になったら利用されなくなる」という厳しい側面もあります。

建築現場に注目しているその他の企業

コンビニ大手の株式会社ローソンも出店を進めています。

増え続ける建設現場を有望な市場として捉えているのです。

アシックスもこの分野への参入は早かったのです。

作業靴の分野に参入したのは1999年。スポーツで培った快適性やデザインでこの分野の需要を取り込みたいと狙ったのだが、10年間は鳴かず飛ばずの状態が続きました。
風向きが変わったのが2010年ごろ。

13年から売り上げは年率2~3割の勢いで拡大し、15年は出荷数量ベースで70万足を超えたという。
またアシックスはこの分野でインナーウエアにも参入しています。
おしゃれは足元からと言われますが、ウエアにもその波が押し寄せています。

東京オリンピック以降はどうする??

いま活況となっている建設現場、しかし東京オリンピック以降、その勢いは減速するのでは?
と思いきや、東京駅周辺とか丸の内、大手町は老朽化した低いビルがあるが軒並み建て替え計画が入っています。
東京オリンピック後も関係なく建築ラッシュビジネスは進んでいくと思われます。

そして就業者数は10年以降は500万人前後でほぼ横ばいながら、仕事量が堅調に推移していくことから収入はさらに増えるとみられます。
現場で増えている女性労働者向けの需要など、まだまだ商機は生まれてきそうです。

あとがき

「風が吹けば桶屋がもうかる」。

私はかぜおけビジネスと呼んでおりますが、他にどのようなものがあるのでしょう?
職人さんの困りごとは他にどのようなものがあるのでしょうか。

  • 現場からの外出の服装が恥ずかしい・・・
  • 昼寝の場所がない・・・
  • 朝早い・・・
  • 駐車場がない・・・

大規模再開発ビルのかぜおけビジネスでは、多くの関係者が建設に従事するだけに経済効果は意外なところにも波及しています。

駐車場がない・・・時間貸し駐車場。

ビルの建築が順調に進むと室内の内装工事などが始まります。
ただ、現場は工事車両でいっぱいで内装工事業者の車が構内に入れないことも多いため、活用されるのです

そして、需要が見込めるとなると、料金を上げても稼働率は落ちない。
例えばピーク時には最大7割値上げしても埋まると言います。

工務店向けのサイト「nekonote(ネコノテ)」に、三井不動産リアルティの空き駐車場情報の配信があり、駐車場シェアで急成長しているakippaも都内で建設業のアカウント数が急増中といった具合なのです。

また、都内では再開発案件の大型化に伴い、「地鎮祭」の単価も上昇中。
地鎮祭ビジネスが活況なのです。

また、街中では元気のない飲料自販機も、工事現場では売上上昇中。
建設現場は1台当たりの売り上げが高校、パチンコ店に次ぐ規模に成長したのです。
一気に飲み干せる190グラム缶のコーヒーがよく売れると言います。